大分県は地域活性化の観点から、県内スポーツ施設の改修や新設に関する検討を本格化させている。九州各県でプロチームの拠点となるアリーナやスタジアムの整備が進む中、県内へのスポーツイベントの誘致などで後れを取らないよう各施設の現況調査に着手。2025年度末に今後の整備の在り方に関する報告書を取りまとめる。具体的な事業手法や整備費などは必要に応じて26年度以降に検討していく考え。
九州内では近年、SAGAアリーナ(佐賀市日の出)や長崎スタジアムシティ(長崎市幸町)など、プロスポーツ対応の施設整備が進む。こうした動きを受け、各種競技の関連団体が県に対して老朽化したスポーツ施設の改修や、新設を検討するよう要望を行った。
県の野球関連団体は別大興産スタジアム(大分市青葉町)の老朽化や屋内練習場がないことなどの課題を受け、プロ野球の開催にも対応した新球場の整備を要望。水泳関連団体は県内にない競技大会の開催が可能な屋内型の50メートルプール建設を求めている。
このほかサッカーJリーグ2部(J2)「大分トリニータ」の本拠地のクラサスドーム大分(大分市横尾)は市街地から離れた立地であるため、交通アクセスの改善が課題となっている。
県としても大規模イベントの誘致で競争力を確保できるよう、本格的な検討に着手。公募型プロポーザルでスポーツ施設の現況調査を行う「地域活性化に資するスポーツ施設の調査等委託業務」の委託先としてKPMGコンサルティング(東京都千代田区)を選定し、7月9日に1100万円(税込み)で随意契約を締結した。
業務では主要なスポーツ施設の利用状況を調査。他県の先進事例を取りまとめ、施設機能などの提案に取り組む。履行期間は26年3月13日まで。
調査報告書では野球、サッカー、水泳など各競技ごとに施設が抱える課題を整理し、今後の施設整備の方向性をまとめる考え。