台湾・花蓮県の洪水被害/国交省/水位観測ブイを提供/河道閉塞の決壊被害に備え

2025年10月15日 行政・団体 [2面]

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 国土交通省は、台風によって生じた台湾・花蓮県の河道閉塞(へいそく)の決壊による災害に対し、支援を行う。土砂ダムの水位をリアルタイムで観測できる特殊機器「水位観測ブイ」を台湾へ提供する。ヘリコプターからの投下・設置が可能で、現地に立ち入ることなく水位の監視ができる。支援は日本台湾交流協会を通じて行われ、16日にも台湾へ向けて発送される予定。
 台湾の東部、花蓮県萬栄郷の馬太鞍渓上流域では、7月末の豪雨によって発生した土砂崩れにより河道閉塞が形成されていた。台風第18号による集中豪雨の影響で9月23日に決壊。せき止められていた大量の水と土砂が一気に下流へ流出し、甚大な被害をもたらした。
 現在も河道閉塞の一部が残存しており、再び決壊すれば下流で新たな災害が発生する可能性がある。
 避難判断の基準となる湛水池の水位観測が不可欠だが、現地は地形が険しく、作業にも危険が伴う。さらに、前回の決壊時に従来の水位計が流失しており、通常の機器の設置が困難となっている。こうした状況を受け、台湾当局は日本台湾交流協会を通じ、観測機器による支援を要請していた。
 観測ブイは、2008年の岩手・宮城内陸地震で初めて導入されて以降、11年の紀伊半島大水害や18年の北海道胆振東部地震、24年の能登半島地震でも活用されてきた。