関東地方整備局が小規模工事現場を対象に無人・自動化施工の試行を始める。同局発注の直轄工事で実施し、2026年度に導入成果をまとめる考え。並行して発注工事で業務が効率できた事例の水平展開や職員のモチベーションアップを目指し、優れた取り組みの表彰制度も創設する。
15日にさいたま市中央区の同局で開いた25年度第2回「インフラDX推進本部」で報告した=写真。ICT施工の取り組みや表彰制度は同本部が設定する25年度の施策テーマに位置付けている。
自動化施工は同局が発注する現場から1、2件抽出しマシンコントロールで稼働する建設機械を導入する。対象は「平均施工幅が2メートル未満の床掘り工か100立方メートル未満の土工」の現場。26年4月に予定する次回会合で成果報告する考えだ。
表彰制度は職員向けのポータルサイト「DX Direct」に掲載した取り組みから、職員の投票で優秀事例を選ぶ。サイトは24年10月に開設し、約1年間で39事務所の事例を掲載している。優秀事例は39事務所の取り組みから選定する見込み。
同本部では河川や道路、防災など各ワーキンググループ(WG)も報告した。防災WGは災害時の初動対応を効率化した事例を紹介。非常時に収集した情報を基に関係機関への連絡書式を統一し、報告するシステムを構築した。これまで約30分かかっていた報告書の作成時間が15分に短縮できた。システムは風水害や津波災害などに加え、年度内に「日本海溝・千島海溝地震」を追加する。
会合で橋本雅道局長は「デジタル技術を活用して遠隔で重機を動かしたり、現場を管理したりする取り組みが進んでいる。これからもためらうことなくチャレンジしてほしい」と呼び掛けた。