金子恭之国交相/若者が希望持てる業界に、国土強靱化を全力で

2025年10月27日 行政・団体 [1面]

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 金子恭之国土交通相は24日、日刊建設工業新聞社など建設専門紙の就任インタビューに応じた=写真。国民の安全・安心の確保を最優先課題に掲げ、「国土強靱化の取り組みを全力で推し進める」との姿勢を示した。産業政策では「担い手確保」「処遇改善」「生産性向上」を柱とし、「若者が希望を持って参入できる環境を整えていく」と意気込みを語った。
 社会資本整備について、金子国交相は資材価格や人件費の上昇を踏まえ、「中長期的な視点で安定的かつ持続的な公共投資を確保し、戦略的に国土強靱化を進める」と述べた。第1次国土強靱化実施中期計画に関しては、資材高騰などを「別枠で考える必要がある」と指摘。「事前防災の重要性は極めて高い」とも強調した。
 建設産業政策では、12月に全面施行を迎える第3次担い手3法を踏まえ、「処遇改善や働き方改革を支える担い手の確保、ICTを活用した生産性向上を官民一体で推進する」国交省の基本姿勢を説明。価格転嫁の徹底、労務費の適正反映、工期の見直しによる働き方改革の推進により力を入れると明らかにした。
 外国人労働者の受け入れにも言及し、「月給制の義務化や報酬上乗せといった建設業特有の制度を活用し、円滑かつ適正な受け入れを図る」と語った。地域貢献活動の表彰や無料日本語講座の実施などを通じ、地域との共生にも取り組む考えを示した。
 埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を踏まえ、「老朽化対策や路線管理の強化は喫緊の課題」と指摘。「当初予算や国土強靱化中期計画に沿って、必要な予算を確保していく」と述べた。
 まちづくりに関しては、官民連携や人流・物流、民間投資の促進を重視。人口減少や高齢化が進む都市では、コンパクト・プラス・ネットワークの形成や地域資源を生かしたウオーカブルな都市づくりを進め、「人々が笑顔で行き交う、ぬくもりあるまちづくりを目指したい」と語った。
 政治家を志した動機については、「国を支えている建設業の方々をしっかり支援したいという思いが出発点だった」と振り返った。災害対応の最前線に立つ建設業を「大切に守っていくべき存在だ」と認識。「地域の雇用やインフラ整備、災害対応に取り組める環境を整える」ことが、これまで以上に必要なると力を込めた。