サッカーJリーグのYBCルヴァンカップ決勝が1日、東京都新宿区にある国立競技場で行われ、サンフレッチェ広島が3年ぶり2度目の優勝を果たした▼躍進の鍵となったのが、国内初の「まちなかスタジアム」として2024年2月に広島市中心部で開業したエディオンピースウイング広島だ。好調な観客動員で、クラブ経営の25年1月期売上高は前期に比べ2倍の約80億円に達した。潤沢な補強資金を武器に、競合の末に獲得した選手の活躍も勝因になった▼戦略的に満員を演出するため、かつて3万5千席だった収容数を適正規模の2万8千席に縮小。一般席に加え13種の多彩なバラエティー席を設けた。非日常を味わった観客がリピーターや発信者となり、新たな集客を呼び込む▼平均入場者数は1・7倍の2万5千人に増加。周辺は公園として再整備され、商業施設や芝生広場がにぎわいを広げる▼集客力と業績を基準にJリーグ全クラブを評価するデロイトトーマツグループの24年版調査では、広島が前年の14位から初の首位に躍進した。スタジアムがもたらした集客とクラブ経営への波及効果は、想像以上に大きい。










