回転窓/労をねぎらい感謝伝える

2025年12月19日 論説・コラム [1面]

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 2025年も残りわずかとなり、忘年会シーズンも終盤に入った。かつては同僚や取引先と夜遅くまで杯を傾けるイメージがあったが、最近はランチ忘年会が開かれるなど、開催スタイルも多様化している▼若者の飲み会離れが指摘されて久しいが、社員食堂を運営するノンピ(東京都千代田区)の調査によると、働く20~30代の7割超が「職場の忘年会に参加したい」と考えていると分かった。上司世代に当たる40~50代ではハラスメントリスクを警戒する声があり、年代が上がるほど参加意欲が下がる傾向も▼コロナ禍を経て、忘年会などの会社宴会は「義務」から「選択」に変わった。参加したい理由を聞くと、全世代では「親睦を深めるため」が最多だったが、年代別では20代のみ「食事やお酒を楽しむため」がトップとなった▼20代前半~半ばの人たちは学生時代がコロナ禍で、宴会の機会が少なかった世代だ。その反動もあって、参加意欲が高いのだろう▼参加率を高める鍵は「気を使わなくていい環境」と「個人のペースを尊重したスタイル」。時代が変わっても1年の労をねぎらい、感謝を伝える場は大切にしたい。