子どもや一般に建設現場を開放する見学会は夏休みの恒例行事だが、最近は工事が佳境を迎える時期に合わせて開かれることも多い。ものづくりの奥深さを伝え、建設業とそこで働く人への理解を深めてもらう貴重な機会となっている▼着工から140年以上が過ぎてもなお工事が続くスペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリアは、もはや見学の域を超えた世界的な観光名所だ。未完の聖堂では、高さ172・5メートルの主塔「イエスの塔」が2026年に完成し、主要部分が仕上がる見通しという▼この年は設計者アントニ・ガウディ(1852~1926年)の没後100年にも当たる。聖堂へとつながる巨大な階段など外構の仕上げは、34年ごろに完了予定とされる▼歴史的な節目を迎えるに当たり、ガウディ没後100年の公式展覧会が日本で開催されることになった。聖堂の図面や手記など、これまで公開されてこなかった資料も多数並ぶそうだ▼26年1月10日~3月15日に東京・寺田倉庫G1(品川区)で開幕し、春には大阪へ巡回予定。ガウディの夢を今に伝える貴重な機会。巨匠の息づかいに触れる日が待ち遠しい。










