先日、カルチャースクールで社交ダンスを習う知人の発表会に足を運んだ。10年以上続けているだけあって、動きはまさに見事。何より、心から楽しそうに踊る姿に、こちらまで笑みがこぼれた▼社交ダンスの起源は約900年前のヨーロッパ。もとは宮廷で輪になって踊る舞踊だったという。1990年代には、周防正行さんが監督・脚本を務め、役所広司さんや草刈民代さんが出演した映画が大ヒットし、社交ダンスがブームを巻き起こした▼知人と同じチームの男性は「仕事以外で夢中になれる趣味を見つけた」と語る一方で、「メンバーの高齢化が悩み」ともこぼしていた。若手の勧誘に力を注いでいるそうだ▼教養を深めつつ、ストレスも発散できるカルチャースクールは幅広い世代に人気だ。小欄の住む自治体でも、ボクシングやスイミングなど40を超える講座が開かれている▼SNSでのやりとりが当たり前になった今、井戸端会議のような光景はすっかり見かけなくなった。カルチャースクールは人と人とが出会い、つながる貴重な場かもしれない。社交ダンスの入会案内を取り寄せようか、少し心が揺れている。










