清水建設は位置情報データの活用支援などを行うＧＥＯＴＲＡ（東京都千代田区、陣内寛大社長）と共同で、機械学習を使って都市開発エリアに滞在する人口の変化を高精度に予測できるシミュレーションモデルを開発した。計画エリアの滞在人口分布の変化を平日・休日別、時間帯別、来訪者の属性別に分析。まちづくりや都市開発の計画初期段階で定量的な根拠に基づく合意形成に活用できる。
　両社は「交通・防災・観光データ分析プラットフォーム」開発プロジェクトの一環として、滞在人口推定モデルを開発した。交通行動分析を専門とする東京理科大学創域理工学部社会基盤工学科の柳沼秀樹准教授が監修。膨大なトリップデータと、エリア特性に関連する都市データを基にモデルを構築。高精度で緻密な滞在人口が推定できる。
　トリップデータは、携帯電話のＧＰＳ（衛星利用測位システム）情報や性別、年齢など。都市データはエリア内にある建物の用途別床面積だけでなく、鉄道駅やバス停などの交通施設、周辺道路面積、地価などの条件を統合している。
　対象エリアにある開発案の建物用途や床面積などを入力すると、開発前後の滞在人口を解析。平日・休日それぞれで滞在人口を推定できる。朝から夜までの時間帯別人口、居住者や勤務者、来街者の割合も確認できるため、開発方針に合った計画が策定できる。
　今後はプラットフォームの標準ツールとしてシミュレーションモデルを活用。清水建設のまちづくり計画支援サービス「マチミル」のメニューに追加し、地域の課題解決を目指すまちづくり計画の立案に役立てていく。