竹中土木は山岳トンネル工事で使う重機を遠隔操作する技術を開発した。機械掘削時に使用する自由断面掘削機と、コンクリート吹き付けを行うエレクター付きコンクリート吹き付け機の2機種を実現場で遠隔操作した。無線LANと光回線を活用しトンネル坑内に通信環境を構築。自由断面掘削機は坑内だけでなく、数キロ離れた工事事務所からも操作可能だ。
国土交通省東北地方整備局発注の「国道121号湯野上2号トンネル工事」(福島県下郷町)の現場で重機の遠隔操作に成功した。トンネル切羽の肌落ち災害防止と生産性向上が狙い。
自由断面掘削機(ブーム・ヘッダー)は、切羽から後方約150メートル離れた操作室で操縦。粉じんや騒音の影響を受けずに掘削作業ができる。重機に広角マルチカメラを搭載し、俯瞰(ふかん)カメラ映像と合わせリアルタイムで操作室に伝送し、映像・操作信号の超低遅延伝送を実現した。電子制御を導入し、実機と同様の操作パネルで掘削作業が可能。オペレーターの違和感を軽減している。
コンクリート吹き付け機は、切羽の後方約150メートルにある操作室から操縦する。切羽近くに設置した3台のPTZカメラ(左右・上下・拡大縮小が遠隔で可能)と、オペレーター視点の360度カメラ1台の映像をリアルタイムで操作室に伝送。映像を確認しながら実際の操作レバーと同じもので吹き付け作業を行う。搭載したLiDAR(ライダー)により出来形計測し、遠隔での出来形管理も可能だ。
同社は山岳トンネル公費で重機の遠隔化・自動化をさらに進め、労働災害ゼロを目指す。将来的には他工種への応用も視野に入れ、安全性・効率性の向上や働き方改革などの取り組みを進化させていく。
重機の遠隔化実現に向け、伊藤忠TC建機(東京都中央区、高橋和好社長)、ARAV(東京都文京区、白久レイエス樹代表取締役)、Nexus Solutions(東京都品川区、岡本剛司社長)、金子組(岡山県倉敷市、金子太一代表取締役)の協力を得た。







