あす11月18日は「土木の日」。国民に広く土木の意義と役割を理解してもらおうと、土木学会が1987年に制定した。18~24日の「くらしと土木の週間」に合わせ、各地でさまざまなイベントが開かれる▼土木が市民工学でありながら、市民やマスメディアに直接語りかける姿勢に欠けていたのではないか。制定当時は、こうした問題意識が高まっていたようだ▼中国前漢時代の思想書『淮南子』に書かれた「築土構木」が土木の語源とされる。土木の漢字を分解すると「十一」「十八」になるため、11月18日が土木の日に。土木学会の前身「工学会」創立が1879年の同日だったこともあり、制定の議論は一気にまとまったという▼土木の記念日が制定されると小欄が知ったのは学生時代。大学で土木系学科の指導教授が「社会資本整備はパブリックリレーションズに始まり、これはヒューマンリレーションズに始まる」と話していたのを思い出す▼社会資本の新規整備や維持更新に国民の理解と協力は欠かせない。土木学会広報委員長を務めた恩師は鬼籍に入ったが、これからも40年近く前に聞いた言葉の大切さは変わらないだろう。









