北海道建設業信用保証(北保証)は18日、前払い保証を行った道内建設企業の2024年度(24年4月~25年3月)財務比率を公表した。全22項目のうち10項目で全業種平均が前年度より改善し、8項目で現在の調査方法となった16年度以降最高値を記録した。収益性の総合指標となる総資本経常利益率は、前年度を0・6ポイント上回る5・9%と2年連続で上昇。売上高総利益(粗利)率は16年度以降最高だった前年度と同じ23・2%だった。同社では「総体的には活動性を中心に経営状況が良化している」と分析している。
調査対象企業は道内に本店があり、9月末までに同社に決算書を提出した2435社(前年度比17社減)。業種別の内訳は土木・建築240社(6社減)、土木898社(11社減)、建築461社(増減なし)、電気445社(6社減)、管391社(6社増)。
平均値は、各企業ごとの数値を算式に当てはめて算出した各財務比率を合計し、対象企業数で除した単純平均で算出。収益性、活動性、健全性、生産性の四つに分類して分析し、業種別、売上高別、地域(14振興局)別にまとめた。
集計結果を見ると、調査を行った全22項目のうち▽売上高営業利益率▽売上高経常利益率▽総資本経常利益率▽損益分岐点比率▽負債回転率▽受取勘定回転率▽支払勘定回転率▽自己資本比率▽固定負債比率-の10項目で前年度の数値より改善。▽売上高総利益率▽売上高営業利益率▽負債回転率▽受取勘定回転率▽支払勘定回転率▽支払利息比率▽自己資本比率▽固定負債比率-の8項目で16年度以降最高値(同率を含む)を記録した。
主な指標を見ると、収益性を表す項目では、売上高に対しどれだけの総利益を出せたかを示す「売上高総利益率」は23・2%(前年度と同値)。業種別では土木・建築が16・8%(0・5ポイント上昇)、電気が31・3%(0・7ポイント上昇)と改善し、土木は21・2%(0・5ポイント低下)、建築は20・3%(0・1ポイント低下)と悪化、管は26・1%(同値)で横ばいだった。
本業の収益力を示す売上高営業利益は3・6%(0・6ポイント上昇)に改善。土木が2・3%(0・5ポイント低下)に悪化したほかはすべて改善し、電気が最も高い7・6%(2・8ポイント上昇)、管が4・8%(0・8ポイント上昇)、土木・建築が2・7%(0・2ポイント上昇)、建築が1・5%(0・3ポイント上昇)となった。
企業の総合的な収益力を示す総資本経常利益率の平均は5・9%(0・6ポイント上昇)に改善。4・5%(0・5ポイント低下)に悪化した土木以外は改善し、電気が最も高い9・8%(3・2ポイント上昇)、管が7・7%(1・1ポイント上昇)、土木・建築が4・7%(0・2ポイント上昇)、建築が4・0%(0・2ポイント上昇)と続いた。
数値が低いほど営業経費効率が良いとされる売上高一般管理費率は19・6%(0・5ポイント低下)に改善した。
活動性の指標を見ると、負債が売り上げに対してどれだけ効率的に活用されたかを示す「負債回転率」が5・3回(0・1回上昇)に改善。健全性の指標となる自己資本比率は57・5%(0・7ポイント上昇)となり、16年度以降最高値だった前年度の数値をさらに更新した。
各項目の平均値は次の通り。カッコ内は前年度比。▼は数値が低いほど良い傾向の項目。
〈収益性〉
▽売上高総利益率=23・2%(同値)▽売上高営業利益率=3・6%(0・6ポイント上昇)▽売上高経常利益率=4・8%(0・5ポイント上昇)▽総資本経常利益率=5・9%(0・6ポイント上昇)▼売上高一般管理費率=19・6%(0・5ポイント低下)▼損益分岐点比率=81・9%(1・3ポイント低下)
〈活動性〉
▽総資本回転率=1・3回(同値)▽自己資本回転率=3・1回(0・1回低下)▽負債回転率=5・3回(0・1回低下)▽固定資産回転率=9・7回(0・3回低下)▽受取勘定回転率=51・8回(8・9回上昇)▽支払勘定回転率=14・9回(0・6回上昇)
〈健全性〉
▼支払利息比率=0・1%(同値)▽流動比率=559・9%(13・1ポイント低下)▽当座比率=517・7%(13・7ポイント低下)▼固定比率=66・3%(2・6ポイント上昇)▼固定長期適合比率=36・9%(1・3ポイント上昇)▽自己資本比率=57・5%(0・7ポイント上昇)▼固定資産比率=27・3%(0・7ポイント上昇)▼固定負債比率=50・5%(4・5ポイント低下)▽運転資本保有月数=5・1カ月(0・2カ月低下)
〈生産性〉
▽付加価値率=39・5%(0・2ポイント低下)。








