国交省/労務費内訳明示の見積書、書き方ガイドと様式例作成/中小下請にも普及促す

2025年11月19日 行政・団体 [2面]

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 国土交通省は、改正建設業法に基づく労務費や必要経費を内訳明示した見積書の「書き方ガイド」と「様式例」を作成した。元請などに見積書を提出する下請の専門工事会社が活用することを想定。様式例はエクセル形式で作成されており、各社の使い勝手が良いように編集することも可能だ。業種・職種ごとの特性に対応し、各専門工事業団体が用意する「標準見積書」の作成・見直しにも活用してもらう。 =1面参照
 意見募集中の「労務費に関する基準(標準労務費)」の運用方針の案に「別紙」として付けた。12月上旬に公表する。  
 これまで労務費や必要経費を内訳明示した見積書を作成する習慣がなかったような中小規模の建設会社にも適正な見積もりを普及させるのが目的だ。改正法で特に内訳明示が求められる▽材料費▽労務費▽法定福利費(事業主負担分)▽建設業退職金共済(建退共)掛け金▽安全衛生経費-の五つの額を記載する様式となる。簡易版と詳細版の2パターンを用意した。
 書き方ガイドでは、様式例を用いた見積書の作成手順、労務費や必要経費の算出方法などを分かりやすく解説する。様式例は「見積書作成支援ツール」として、エクセルのシートに単位・単価・数量などの必要項目を入力することで見積書を作成できるようになっている。作成の利便性が高いことに加え、当初・最終見積書の比較やデータ蓄積もしやすいため、このまま電子媒体で作成することを推奨する。
 各専門工事業団体には、様式例を業種別にカスタマイズした標準見積書の作成・活用を働き掛ける。法定福利費や安全衛生経費を内訳明示する既存の標準見積書がある場合は内容をアップデートしてもらい、まだ標準見積書を用意していない団体には新たに作成してもらう。