神奈川労働局の児屋野文男局長らは、横浜市中区で施工中の「(仮称)中区海岸通計画工事」を1日にパトロールした=写真。建設業年末年始労働災害防止強調期間(1日~2026年1月15日)に合わせた活動。転落・墜落災害防止などの啓発が目的。児屋野局長は、年末年始の繁忙期に向けて安全意識を高めるよう呼び掛けた。
パトロールは児屋野局長ら労働局職員と、黒田憲一建設業労働災害防止協会(建災防)神奈川支部長らが、施工を担当する鹿島の二藤部弘樹所長の説明で現場を見て回った。開口部の雨水対策や飛来・落下物予防のリスク管理などを確認した。
現場は神奈川県警察本部と道路、海に囲まれた立地。近隣にマンションなどもあり、墜落・転落、飛来・落下物の防止に特に留意している。屋外や足場での作業を極力減らすなど、ヒューマンエラーのリスク低減に努めている。労働時間の削減に対応した時間短縮策として朝礼を廃止し、オンラインでの情報共有も実施している。
児屋野局長は「整理・整頓が行き届き感心した。高所作業を減らすなど、リスクを先読みした取り組みも評価する」と総括。黒田支部長は「若手の入職者確保には安全・安心な職場環境が必須。年末・年始に向けて一層の注意喚起に期待する」と評価した。講評を受けて二藤部所長は「歩行者や近隣住民ら第三者災害の防止に力を入れ、災害ゼロを目指したい」とコメントした。
現場の所在地は中区海岸通3の9の4。日本郵船と三菱地所、鹿島の3社で構成するSPC(特定目的会社)が事業主体。敷地面積は4944平方メートル。建物はS、SRC一部SRC造地下1階地上21階建て塔屋1階延べ6万9608平方メートル。事務所、飲食店舗、展示場、駐車場などが入る予定。設計・監理は三菱地所設計、施工は鹿島が担当。27年1月末の竣工を予定している。







