内幸町一丁目街区中地区/延べ36万平米ビル着工/NTT都市開発ら

2025年12月9日 工事・計画 [4面]

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 東京都千代田区の帝国ホテルの隣に位置する内幸町一丁目街区中地区で「NTT日比谷タワー」の建設工事が始まった。延べ約36万平方メートルの規模で、NTTの本社が移転・入居する。NTT以外の企業の利用も促す。高速大容量通信技術を導入し、新たなビジネスの創出なども後押しする。タワーは2031年10月末の完成を予定している。
 建設地は千代田区内幸町1の1の10ほか(敷地面積約2・2ヘクタール)。S・SRC造地下6階地上48階建て塔屋2階延べ約36万1000平方メートルの規模。約230メートルの高さを持つ。オフィスや産業支援施設、ホール、ホテルなどで構成する。
 事業主はNTT都市開発と東京電力パワーグリッドで、NTTファシリティーズが基本設計と実施設計監修を担当。実施設計と施工は竹中工務店が担っている。
 NTT日比谷タワーの3~5階は商業施設、9階に約400席のホールを配置する。オフィスは11~42階で、約1万5000人のオフィスワーカーが働ける規模だという。44~48階は100室規模のホテルを構える。同ホテルには帝国ホテルも関与する。
 同タワーにはNTTらが中心となって開発している次世代情報通信基盤「IOWN(アイオン)」を実装する。大規模AI連携技術など先進技術と組み合わせ、オフィスワーカーの業務効率化や生産性向上を図り、国境を越えた共創を実現する。世界中のまちやエリア同士をリアルタイムでつなぎ、新たなライフスタイルやエンターテインメントを生み出す。
 工事現場の西側には日比谷通りを挟んで日比谷公園が広がっている。道路上空に公園を新設。日比谷公園とまちを安全に往来できる環境を整え、にぎわい創出にもつなげる。
 NTTの島田明社長は8日に都内で開いた会見で「NTTタワーが新たな体験ができる場所や新しいものに出会える場所として皆さまに広く認知されることで、入居企業のプレゼンスの向上に貢献したい」と話した。