四国整備局/野村ダム改良事業(愛媛県西予市)堤体貫通式開く

2025年12月9日 行事 [9面]

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 四国地方整備局は7日、野村ダム改良事業の堤体貫通式を愛媛県西予市野村町野村の現地で開いた。放流設備を既設より低い位置に増設し、洪水調節能力を増強させる工事の一環。清水建設が施工を担当し、山岳トンネル工事用の自由断面掘削機を使い堤体を削孔し貫通孔を設けた。貫通孔は幅と高さが各5・4~9・0メートル、延長は31・5メートル。
 式には関係者ら約60人が出席。豊口佳之四国整備局長のあいさつや国会議員、自治体首長らの祝辞に続き、原田隆史四国整備局肱川ダム統合管理事務所長が事業概要を説明した。施工者を代表し、池田謙太郎清水建設代表取締役副社長兼副社長執行役員土木総本部長安全環境担当があいさつした。その後、代表者が除幕し貫通を祝った。
 野村ダムは堤高60メートル、堤頂長300メートル、堤体積25万4000立方メートルの重力式コンクリートダムで1982年に完成した。2018年7月豪雨を受け、23年6月に改良事業の起工式を行った。供用中のダム堤体に新たな放流管を通すのは四国の直轄ダムで初めて。事前放流により洪水調節用のダムの空き容量を、従来の350万トンの約2・2倍に当たる約760万トン確保できるようになる。
 改良事業はその容量を有効に活用するための工事で27年度中の完成を目指す。「令和5-9年度野村ダム施設改良ゲート設備工事」は豊国工業、「令和4年度野村ダム施設改良実施設計外業務」などは日本工営が担当。