国際園芸博覧会関係閣僚会議/成功に向けて機運醸成/海外へのPR強化

2025年12月10日 行政・団体 [5面]

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 2027年国際園芸博覧会関係閣僚会議(議長・木原稔官房長官)は5日に首相官邸で第3回会議を開き、開催成功に向けた関係省庁の今後の取り組みや入場券価格(案)などについて意見を交わした。国土交通省、農林水産省、外務省、経済産業省らが連携し、機運醸成や民間事業者の協賛促進、国際会議を活用した海外へのPR強化などに取り組む。
 会議に出席した高市早苗首相は「ペロブスカイト太陽電池や完全閉鎖型植物工場など日本の技術を世界に発信できる機会だ。成功に向けて内閣を挙げて取り組む。関係自治体や経済界を含めオールジャパン体制で準備に万全を期したい」と呼び掛けた。
 今後の取り組みに▽官民一体となった機運醸成▽国際出展の充実▽EXPO(博覧会)の魅力の向上▽安心で円滑なEXPOの開催-の4項目を設定した。公式SNSを活用した政府情報発信の充実化、各府省庁が主催・参加するイベント・会議・研修などでのPR活動の充実、経済界を巻き込んだ入場券の販売促進、海外メディア向けニュースレターの発出などを展開し機運を醸成していく。
 国際出展の充実では国際会議を活用した発信を強化する。国際熱帯木材機関(ITTO)理事会や国連森林フォーラム(UNFF21)、国連食糧農業機関(FAO)林業委員会(COFO28)、国際協力機構(JICA)研修、20カ国・地域(G20)観光大臣会合、アジア太平洋経済協力(APEC)観光大臣会合などを想定している。
 魅力向上では政府出展エリア内の国内常設展示スペースの充実を図る。各府省庁が展示コンセプトに沿った情報を農水省に提供する。国交省は優良緑地確保計画認定制度(TSUNAG)や下水汚泥資源の肥料利用に関する取り組みを検討している。
 最先端技術を活用した実証の場として同省は、グリーンインフラの暑熱緩和効果・雨水浸透効果などや、自動運転車両などの先進的モビリティサービスの具体化などを検討している。
 安心で円滑な開催で国交省は来場者の安全確保や暑熱対策、大規模災害発生時の対処・連携要領の確立などを徹底する。輸送の安全確保と移動の円滑化では電気自動車(EV)バスの活用、周辺企業や地元経済団体などを巻き込んだ交通需要マネジメントの推進、テロ対策などに力を入れる考えだ。
 入場価格は多くの人が来場しやすい設定、シンプルで分かりやすい券種設定、安定的に運営するための十分な収入確保を基本的な考え方に据える。