振興基金/CCUS、現場タッチでポイント付与/三機工業の現場で実証実験

2025年12月10日 行政・団体 [2面]

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 建設キャリアアップシステム(CCUS)運営主体の建設業振興基金(振興基金、谷脇暁理事長)は、CCUS登録技能者向けスマートフォンアプリ「建キャリ」を活用し技能者に電子マネーなどのポイントを付与する実証実験を行っている。初弾として三機工業と協力し、同社が元請として手掛ける東京都内3カ所の現場で11月に開始した。結果を検証し、将来的な実運用も視野に入れる。
 ポイント付与の仕組みを「(仮称)建キャリ元ポ」と呼んで展開する。現場のカードリーダーへのタッチ数などに応じポイントを付与し、元請が負担する形で技能者にポイント分の電子マネーを送付する。同じような試みを以前も行っていたが、建キャリを通じポイントを付与する元請の事務負担が少ない仕組みを新たに整えた。
 三機工業の現場での実証実験は2026年3月末まで。1タッチで50ポイントを付与し、電子マネーとしてアマゾンギフトコードを送る。同社は実証に協力し「技能者のモチベーションアップや処遇改善に資するよう、レベルアップに向けた適正な就業履歴の蓄積に努めていきたい」とコメントしている。
 振興基金はポイント付与がCCUS登録技能者による就業履歴蓄積のインセンティブとなることを期待する。サービス利用料などは発生しないため、元請側も気軽に取り入れやすいとアピールしている。