東日本高速道路会社は、2027年から館山自動車道君津PA付近(千葉県君津市)で路面給電システムの実証実験を始める。10日、実地試験に向け開発中の給電システムを報道関係者に公開した。同社は、路面に設置した送電コイルと車両側の受電コイル間で、送電するとともに、ETCを使って車両認証や課金する仕組みの構築を目指している。今後は、送電量の増加や磁気などの安全性確認などを進めていく方針だ。
10日は停車中の車両にワイヤレス給電する様子を公表した。指定の駐車マス内に電気自動車(EV)を止めるとETCにより自動的に車両を検知し、車両情報やクレジットカード情報を認証。送電システムから給電が開始される仕組み。充電量が給電システムからETCに送られ、充電した量によって課金する。停車中でコイル1基当たり優先充電と遜色ない15キロワットの充電が可能。EV充電の国際規格(OCPP)とETCを相互に連携させる仕組みは国内初となる。
27年からは君津PA付近の上り線本線のうち、走行車線の約300メートルに送電コイルを敷設し、実地での試験を行う計画。既に送電コイル側の耐久性や安全性については検証が完了しているという。比較的交通量が少ない4車線の盛り土区間で平たん性、施工性などを考慮し君津PA付近を選定した。今後、実施体制などを検討していく。
路面給電が実現すれば、EVのバッテリーの小型化が可能になり、航続力を増加させるだけでなく、路面への負担軽減、車両設計の自由度増加などが期待される。
同社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション(GI)基金を活用し関西電力、大阪メトロ、ダイヘン、大林組らと共同で、EVと連携した最先端エネルギーマネジメントシステムの構築を進めている。27年からの実証実験もその一環となる。








