大林道路JV/徳島県阿波市の新プラント操業開始/廃食油採用でCO2排出量削減

2025年12月12日 行事 [17面]

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 大林道路・佐々木建設JVが運営する阿讃アスコン(徳島県阿波市吉野町柿原原167)の施設建て替えが完了し、11日に新しいアスファルトプラント設備が本格稼働した。カーボンニュートラルに向け、アスファルト混合物の製造プロセスで使用するバーナーの燃料に、従来用いていたA重油に替え、二酸化炭素(CO2)排出量が実質ゼロの廃食油を使用する。年間約1300トンのCO2排出量削減が可能という。廃食油の使用は徳島県内のプラントで初めて。
 プラントは1990年7月に佐々木建設本社敷地内で操業を開始。2025年6月に一時休止し、プラントや事務所、試験室の建て替え工事を進めてきた。
 11日に現地でプラントの火入れ式が行われた。大林道路の安孫子敬美社長、宮原道浩取締役兼専務執行役員、日比野忠臣四国支店長、白川靖雄佐々木建設社長、町田寿人阿波市長、池田順一西日本高速道路四国支社徳島工事事務所長ら約50人が出席。代表者が点火スイッチを押すとプラントが稼働を始め、再操業を祝った。
 町田市長は「課題となる公共交通インフラの維持管理の資材供給面で非常に心強い」と喜んだ。大林道路関連のプラントで廃食油の使用は四国で香川県に続き2カ所目。安孫子社長は「持続可能な社会の実現に向け、CO2削減に取り組む」と決意を述べた。
 アスファルトプラントは1時間当たり90トン、リサイクルユニットは同45トンの製造能力を備える。140トン貯蔵可能な合材サイロを1基設けた。フォームド装置を導入し、CO2削減を抑制すると同時に中温化合材の出荷を可能とした。合材出荷アシストシステムの採用により、車両の運転席に居ながら積み荷の数量や荷姿を確認でき作業効率を高める。
 徳島自動車道土成ICから約1キロに位置する。阿讃アスコンの関孝之所長は「西日本高速会社が進める徳島道4車線化事業の需要が見込める。フォームドアスファルトは長距離運搬が可能で県外への出荷にも対応できる」と意欲を見せた。