国土交通省は２０２５年度「インフラＤＸ大賞」の選定結果を１７日に発表した。大臣賞４団体、優秀賞２７団体、スタートアップ奨励賞２団体の計３３団体を選んだ。１月中旬に表彰式を開く。
　公共発注の工事・業務部門で大臣賞を受賞した中和コンストラクション（奈良県）は、山間部工事で衛星通信（スターリンク）を使用した無人化施工を実現した。地方自治体では和歌山県の取り組みを大臣賞に選定。ドローンによるフォトグラメトリや点群計測、ＬｉＤＡＲ（ライダー）、３６０度カメラなど、デジタルツイン技術を用いて、インフラ管理、防災、消防、空き家、文化財、教育など多様なユースケースで活用した。イニシャルコストやランニングコストを低減し外注費用をかけない持続可能性の高い取り組みが評価された。
　「ｉ－Ｃｏｎｓｔｒｕｃｔｉｏｎ・インフラＤＸ推進コンソーシアム」会員が応募する部門では前田建設らの取り組みを評価。ビデオゲーム「マインクラフト」のように、立方体ブロック（ボクセル）で空間を構築する発想を応用し子どもから熟練技術者まで、誰もが直感的に扱えるインフラ管理システムを開発した点が評価された。
　受賞者は次の通り。団体名＝工事・業務・取り組み名。
　【工事・業務部門】
　〈大臣賞〉中和コンストラクション＝栗平川２砂防堰堤垂直壁他工事
　〈優秀賞〉砂子組＝道央圏連絡道路　長沼町南長沼ランプ改良工事▽橋本店＝内川流域山下堰（右岸）工事▽藤根建設・高福組・吉忠組・高橋重機・高建重機・佐藤建設地域維持型ＪＶ＝主要地方道大更八幡平線ほか柏台地区ほか道路・河川等維持修繕業務委託▽応用地質茨城営業所＝Ｒ５久慈川・那珂川河床材料調査業務▽小川工業・初雁興業ＪＶ＝総選除）４嵐山－１７号本体整備その２工事▽岡部＝Ｒ６有峰地区渓岸対策（二の谷）工事▽新丸山ダム本体建設工事　大林組・大本組・市川工務店ＪＶ＝令和２年度　新丸山ダム本体建設第１期工事
　▽五洋建設・若築建設・大本組ＪＶ＝神戸港臨港道路載荷試験工事（第１工区）▽鴻治組＝令和５年度三篠川丁地区築堤護岸他工事▽月の輪建設工業＝美咲町多世代交流拠点整備事業　美咲町消防団消防機庫新設工事▽礒部組＝国道４９３号（北川道路・柏木２号橋下部工）道路改築工事▽五洋建設・不動テトラＪＶ＝令和６年度佐伯港（女島地区）岸壁（マイナス１０ｍ）（改良）地盤改良工事▽錢高組＝那覇第２合同３号館（Ｒ３）建築工事
　【自治体などの取り組み部門】
　〈大臣賞〉和歌山県田辺市＝田辺市デジタルツインプロジェクト（ＤＴＰ）▽熊本県玉名市＝玉名発！全国へ波及するＤＸ実装モデル
　〈優秀賞〉札幌市＝都市型土木工事におけるＩＣＴ施工普及の取り組み～Ｆｉｒｓｔ　Ｓｔｅｐ　ＳＡＰＰＯＲＯ型～▽福島市＝人工衛星画像を用いた漏水リスク評価▽長野県＝システム構築による砂防業務の支援▽山口県＝小さな現場でこそ光る建設維新ＩＣＴ３・０▽徳島県＝ＣＩＭによる排水機場維持管理の効率化
　【コンソーシアム会員の取り組み部門】
　〈大臣賞〉前田建設、法政大学＝ボクセル型インフラデジタルツインの構築
　〈優秀賞〉植村建設＝３ＤＭＣバックホウ遠隔操縦導入と普及促進▽鹿島＝鉄筋工事の生産性向上を実現する配筋ＤＸ▽ニチレキ、スマートシティ技術研究所＝日常管理と舗装点検の一体化の取り組み▽西松建設＝デジタルツインによるトンネル施工の省人化
　▽国土開発工業＝ＩＣＴ仮設防災システムによる見える化▽大日コンサルタント＝Ｄ－ＡＩ－Ｃｈａｔによる技術伝承の加速▽東邦ガスネットワーク、アンドパッド＝スマホ３Ｄ計測とデータ連携で管工事ＤＸ▽梅田土建＝ＩＣＴ技術とチルトローテータの統合的活用▽奥村組＝施工影響ＸＲウォッチャー
　〈スタートアップ奨励賞〉ｎａｔ＝インフラメンテナンス対応の効率化▽ＧＲＩＦＦＹ＝リストバンド型機器で個別熱中症リスク管理。