国土交通、環境両省は16日、脱炭素型の開発事業を表彰する2025年度(第2回)「脱炭素都市づくり大賞」の選定結果を発表した。大賞に当たる大臣賞2件、特別賞3件を選出。国交大臣賞はJR東日本らの「TAKANAWA GATEWAY CITY」(東京都港区)、環境大臣賞は清水建設の「温故創新の森NOVARE」(東京都江東区)を選んだ。
2026年1月15日に東京・銀座の時事通信ホールで表彰式を開く。TAKANAWA GATEWAY CITYは品川車両基地跡地を、駅とまち一体で整備した。まち全体を「100年先の心豊かなくらしのための実験場」と位置付け、新たなビジネス・文化、循環型社会モデルを発信している。約2・7ヘクタールの緑量や、エネルギー削減・効率化の取り組みなどを高く評価した。
温故創新の森NOVAREは、倉庫群だった敷地に自然環境を整備し、旧渋沢邸を移築した。交流と研究、教育、歴史継承を融合したオープンイノベーションの場を創出。新築全棟でZEBを達成するなど高い省エネルギー性能を実現している。もともと緑のない場所に敷地の26%を占める緑地と水面を創出。歴史的建造物の活用なども高く評価した。
特別賞には▽糸プロジェクト(愛媛県西条市)=アドバンテック▽PPAによる広野町マイクログリッド構築事業(福島県広野町)=スマートソーラーら▽箕輪町庁舎周辺事業『みのわサスティナブルエネルギーPG』(長野県箕輪町)=明豊ファシリティワークスら-の3事業を選んだ。
両省はまちづくりでのGX促進に向け、23年度に同賞を創設した。完成済みか、5年以内に完了予定のプロジェクトを対象に募集。30年度までに電力消費で二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにすることを応募条件とした。
国交大臣賞は緑地創出やエネルギー利用効率化、移動の脱炭素化の取り組みを推進している事業。環境大臣賞は脱炭素、資源循環、ネーチャーポジティブの取り組みとして特に優れた事業が対象となる。








