清水建設はAIを活用し、最適なZEB計画を立案する「脱炭素コンサルティング事業」に乗りだす。400棟以上で採用実績がある自社開発のZEB設計ツール「ZEB SEEKER」を機能拡張し、新たに開発したコスト検討機能を搭載。顧客の資産価値や投資効果を最大限高める観点から省エネ性能と建設コストを評価し、建て替えや改修での最適なZEB計画を提案する。
脱炭素コンサルティング事業は3カ月程度、床面積1万平方メートル当たりおおむね500万円で展開する。スキームの将来性が評価され、15日に発表された省エネルギーセンター主催の2025年度省エネ大賞製品・ビジネスモデル部門で資源エネルギー庁長官賞を受賞。先行して京葉銀行(千葉市中央区、藤田剛頭取)が支店のZEB化に向け活用している。
まず顧客が保有する施設群のエネルギーデータを分析し、この中から建て替えや改修による省エネ効果が期待できるストックを抽出・選定する。その後、省エネ性能に影響するガラス種別や空調方式などの各仕様について顧客ニーズをヒアリングし、事業特性を踏まえ5段階評価する。
最終的に建て替えまたは改修する施設の3Dモデルを構築し、ヒアリング結果をZEB設計ツールに入力。2~3日以内に数万件の設計案を導き出し、目標の省エネ性能(1次エネルギー消費性能〈BEI〉)や顧客予算(コスト指数)、事業特性・適合性に応じ顧客が最も満足する設計案を提案していく。
ZEB設計ツールに新規搭載したコスト検討機能ではエネルギー関連機器や建材、施工に関する1000項目のコストデータベース(DB)を基に概算コストを算出。DBは適時更新し物価変動にも対応する。








