長崎県大村市/新庁舎実施設計概要を公表/概算事業費203億円に

2025年12月22日 工事・計画 [17面]

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 長崎県大村市は計画する新庁舎の実施設計概要を公表した。庁舎棟と別館の2棟構成で、規模は総延べ1万9971平方メートル。設計費を含む概算事業費は基本設計時点(2024年8月)と比べ約23億6000万円増の約203億円となった。建物は機能性を重視したシンプルな形態とし、建設地周辺にある森園公園との調和を意識した外観デザインを採用した。設計担当は安井建築設計事務所・クガ・ノダ建築設計事務所JV。
 26年度当初予算に本体工事費を計上し、26年6月に施工者選定の一般競争入札を公告する。26年10月ごろに着工し、28年度の完成、29年度の供用開始を目指す。
 庁舎棟は建築と電気設備、機械設備の一括発注で大手建設事業者を含むJV、別館などは建築、設備の別途発注で市内事業者の落札を想定している。
 新庁舎は現庁舎の老朽化に伴う移転建て替えとして計画する。建設地は市民プール跡地と森園ファミリースポーツ広場の敷地(森園町、約2・2ヘクタール)。
 敷地西側に整備する庁舎棟の規模はRC一部SRC・S造5階建て延べ1万8053平方メートルで、免震構造を採用。主に1階はエントランスホールや窓口、2~3階は会議室や多目的室、4~5階は議会機能となる。4階には屋上テラスとつながるロビーを設け、大村湾や長崎空港を一望できる空間に仕上げる。天井や壁などの内装材として市産木材を活用する。
 敷地東側の別館はRC造2階建て延べ1918平方メートル。倉庫や書庫を集約し、一部の倉庫は外部から直接出入り可能な仕様とする。庁舎棟と2階部分でつながる渡り廊下も整備する。
 環境対策では自然エネルギーや省エネルギー機器などを活用し、ZEB Readyの認証取得を目指す。すべての市民が使いやすい庁舎となるよう、徹底したユニバーサルデザインを追求。視覚障害者用の歩行経路や聴覚障害に対応した音声案内設備、車いす利用に配慮したバリアフリートイレなどを充実させる。