飛島建設、第一カッター興業/床版急速撤去工法で新タイプ初実装/馬蹄形ジベル対応

2025年12月22日 技術・商品 [3面]

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 飛島建設と第一カッター興業は、阪神高速道路会社と共同開発した鋼合成鈑桁橋床版の急速撤去工法に新タイプを追加した。コンクリート床版と鋼桁のずれ止めとして利用する棒型のスタッドジベルだけでなく、コの字形の馬蹄(ばてい)形ジベルにも対応できるようにした。両社は鋼合成鈑桁橋全般をターゲットに急速撤去工法の適用範囲を広げていく。
 鋼合成鈑桁橋床版を急速撤去する「Hydro-Jet RD工法」は、床版下側から超高圧水を噴射し鋼桁と床版を分離する。通行止め前に接合部のコンクリートを除去しずれ止めを露出させ、通行止め後の作業を最小限に抑える。一般車両の通行も確保する。これまでは馬蹄形ジベルに未対応だった。
 飛島建設らは、スタッドジベルで培った知見も生かし、馬蹄形ジベルに対応した解析モデルを作成。安全を確保しながら分離できるコンクリートの切削高さや幅、日当たり量の条件を有限要素法(FEM)解析で整理した。さらに大型モックアップの模擬施工や載荷試験で事前解析との整合を検証。狭いスペースに設置した馬蹄形ジベルの切断作業にも大きな問題がないと確認した。
 馬蹄形ジベルに対応したHydro-Jet RD工法は、施工中の「東北自動車道胆沢川橋床版取替工事」(発注者・東日本高速道路会社、岩手県一関市~花巻市)のうち、石田橋上下線の鋼合成鈑桁橋部で初めて実用化した。