日本生産性本部/労働生産性24年国際比較/G7で最低、向上に生成AI活用を

2025年12月24日 行政・団体 [3面]

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 日本生産性本部がまとめた2024年の労働生産性の国際比較によると、時間当たりの日本の労働生産性は60・1ドルで、経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中28位、先進7カ国(G7)で最低だった。ポルトガルやニュージーランドと同程度の水準。同年の実質経済成長率がマイナスとなった中で就業者が増加し、生産性が上昇しなかったことが順位に影響した。1人当たりの労働生産性は同38カ国中29位、G7で最低が続いている。
 付加価値額または生産量などと、労働投入量(労働者数、時間)の関係から労働生産性を算出している。OECDが推奨している各国の物価水準を考慮した購買力平価(PPP)による分析も行った。時間当たりの労働生産性は米国が116・5ドルで日本のほぼ倍の水準にある。
 1人当たりの労働生産性(就業者1人当たりの付加価値)は9万8344万ドルで、ニュージーランド、スロバキアと同水準となった。日本以外のG7で最も低い英国の8割弱で、日本に近い西欧諸国は少なくなってきている。
 日本の国民1人当たりの国内総生産(GDP)は5万3863ドルで、同38カ国中26位。米国の6割程度にとどまり、リトアニアやポルトガルと同水準、主要先進国で最低だった。国民1人当たりのGDPは1995~97年に同加盟国中6位、G7では米国に次ぐ水準だった。日本の24年を19年と比較すると、102・9%(実質ベース)でコロナ禍前を上回るが、伸び率はOECD加盟38カ国の平均(105・9%)を下回っている。
 日本生産性本部は、生産性向上に「大きな役割を果たす手段」に生成AIの活用を挙げた。米国は企業の65%、労働者の40%が利用し、関係企業の巨額の投資が続く。活用に伴うリスクはあるものの、コスト負担を考慮すれば、生成AIを活用して生産性を高める働き方に取り組むことが重要としている。