埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を契機にインフラの老朽化に注目が集まる中、国土交通省で新しいインフラマネジメントの在り方を具体化する議論が始まった。整備後のメンテナンスだけでなく、計画・設計や集約・再編などの全プロセスを貫く統合的なマネジメント体制の構築が主な論点となる見通し。市町村の技術者不足が深刻化しマネジメントを担う主体間の連携・協働も求められており、従来のインフラ管理の在り方や関連制度の見直しに発展する可能性がある。
社会資本整備審議会(社整審、国土交通相の諮問機関)・交通政策審議会(交政審、同)技術分科会技術部会に「インフラマネジメント戦略小委員会」を設置し、1月30日に初会合を開いた=写真。
八潮市の事故後に国交省が設置した有識者会議が昨年12月にまとめた第3次提言の内容をベースに議論し、夏ごろの中間取りまとめを目指す。管理者や市民への「見える化」を徹底する制度やデータベースの整備、点検・調査のメリハリやインフラ再構築を促す仕組みなどを検討。施設のメンテナビリティ(維持管理の容易性)やリダンダンシー(冗長性)の確保、管理者間の連携強化といった観点で統合的なマネジメント体制への道筋を探る。
冒頭、国交省の酒井庸行副大臣は「自治体、特に市町村で人員や予算の不足による課題が深刻化している」と話し、より効率的で効果的な維持管理方策の具体化を要請した。委員長を務める家田仁政策研究大学院大学特別教授は「整備とメンテナンスは別ものではなく、本来は一体であるべきものだ」との問題意識を表明。現行の制度やルールが「トータルで効果を上げる発想に欠けている面がある」とし、これらの考え方を「マネジメント」という観点で改める必要性を強調した。
家田委員長は、地域公共交通の持続可能性が懸念される中、バス会社の共同経営を独禁法の適用除外にするなど抜本的な対策に乗り出している例を示し、「微少な改善ではいけない。新しい歩みを踏み出すための議論を」と訴えた。







