大成建設グループが埼玉県幸手市に開設した脱炭素関連の次世代技術研究所が本格運用に入った。建築物のライフサイクル(LC)全体で排出される二酸化炭素(CO2)について、実質収支ゼロとなる国内初の「ゼロカーボンビル」を目指す管理研究棟などで構成。敷地内で材料開発や製造、施工実証がワンストップで完結できる環境を構築した。持続可能な建築・道路舗装関連インフラを実現するための脱炭素イノベーションを加速させる。
16日に報道公開した。名称は「大成建設グループ次世代研究所『T-FIELD/SATTE』」。主に建築・舗装分野の脱炭素化を加速させる研究・実証拠点として、大成建設と大成ロテックが中心となって運営する。所在地は幸手市平須賀2480の13。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の幸手ICに近く、関東園にある同社グループのさまざまな研究所や工場などと行き来しやすい。
施設は▽ゼロカーボンビルを目指す管理研究棟▽コンクリート床版の疲労耐久性を検証する「道路床版のラボ」▽脱炭素や再生資材を活用した製造実験施設の「コンクリート・アスファルトの製造ラボ」▽製造した舗装材を検証する「道のテストフィールド」▽地域の生態系と調和する水辺環境・緑地空間-などで構成する。
中心的役割を担うゼロカーボンビルの規模・構造はW・RC造4階建て延べ2724平方メートル。下層階の1、2階にCO2削減や資源循環に有効なさまざまな建材を取り入れ、上層階の3~4階を主に地場の秩父産材を生かした木造としている。外装は関東屈指の桜名所として知られる幸手市の「幸手権現堂桜堤」を意識し、桜をモチーフにした木造のファサードを採用している。
大成建設の担当者によると、ゼロカーボンビルには計108の脱炭素関連の技術を適用。このうち8割程度はグループ独自の技術が占めるという。脱炭素にはCO2を固定する木造の活用が最も影響が大きく、継いで脱炭素・低炭素化を推進する鋼材やコンクリートなどの活用も効果を上げる見込みという。
大成建設の長島一郎常務執行役員技術センター長は、施設を最大限活用することで「当社グループが(建設業界の)先頭に立って未来の標準を作り、持続可能な社会づくりに貢献したい」と展望している。






