東北6県、26年度予算案出そろう/青森、岩手、山形で投資的経費増額

2026年2月20日 行政・団体 [6面]

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 東北6県の2026年度予算案が19日に出そろった。福島県を除く5県が増額予算を編成した一方、福島は東日本大震災復興・創生分の大幅な減で前年度比1・7%減となった=表参照。投資的経費は青森と岩手、山形の3県で増加したものの、他3県は減額。各県とも防災・減災対策、建設DXの推進、地域産業振興に重点配分し、持続可能な県土づくりを目指す。
 ◇防災・減災、強靱化に重点配分
 青森県は県有施設老朽対策などの増額で普通建設事業費が2・0%増の1319億88百万円。青森県東方沖地震で被災した八戸港(八戸市)の復旧費などで災害復旧事業費は76・3%増の88億90百万円になった。岩手県は普通建設事業費862億55百万円(前年度比5・6%増)、災害復旧事業費178億48百万円(6・8%増)、投資的経費は1041億3百万円(5・8%増)といずれも増額。大船渡市の山林火災を受けた林野火災復旧対策や閉伊川水門災害復旧などが押し上げ要因になった。
 山形県は投資的経費を1098億5百万円(1・5%増)計上。24年7月大雨災害からの復旧や治水対策、道路ネットワーク充実など事前防災と県土強靱化に軸足を置く。福島は投資的経費は1553億10百万円(32・9%減)、公共事業費も1770億72百万円(21・5%減)と大幅減。復興・創生分が70・1%減となる一方、通常分は5・7%増になった。
 各県とも社会インフラの防災・減災と広域道路ネットワーク整備に引き続き手厚く配分している。広大な県土を抱える岩手県は道路・河川など維持管理事業費139億6百万円を計上。地域連携道路整備69億95百万円、道路環境改善132億47百万円を充て、安全・安心な道路交通を確保する。4年連続で大雨災害に見舞われた秋田県も河川改修に23億35百万円、県単河川改良に35億71百万円などを充て、河川堤防の機能維持や流下能力の確保に注力する。
 山形県は「県土強靱化を担う道路ネットワーク充実強化」に188億26百万円を充てる。豪雨災害を踏まえた治水対策には56億63百万円を計上し、再度被害が見込まれる河川の短期集中改修など事前防災を強化。道路陥没を予防する埋設管路老朽化対策にも11億50百万円を充て、地下インフラの更新を急ぐ。福島は復興再生道路など道路整備に重点配分しつつ、維持補修事業を584億37百万円(5・3%増)に増額した。
 新規事業では、宮城県が「みやぎ県北広域汚泥肥料化事業」に50百万円を充て下水汚泥肥料化施設を建設する。山形県は「山形・庄内両空港」の機能強化に向けた概略設計に78百万円を充当。「山形新幹線米沢トンネル(仮称)」の早期事業化関連で、5億9百万円で地質調査や測量に先行着手しながら整備費用を積み立てる。
 持続可能な地域建設業の実現に向け、各県がDX推進と人材確保策を継続して強化している。青森県は「建設DX導入促進事業」に11百万円を新規計上。建設経営者向けセミナーやICT機器の体験会開催、県内建設コンサルタントの3D設計に必要なソフトウエア導入などを支援する。山形県は「建設DXチャレンジ」に12百万円を新規計上し、ICT機器を活用したことがない中小企業を対象にモデル工事を発注する。
 宮城県は庁内DX人材育成3億43百万円などでデジタル人材の育成・活用に注力する。秋田県は建設産業活性化促進事業を拡充し、高校生対象の技能職魅力体験イベントや外国人技能者雇用企業の補助金を新設。福島県も「建設産業の魅力・やりがい創出支援事業」に57百万円を新規計上し、バックオフィス導入支援など働き方改革を後押しする。