東京・新宿区/既存建物の耐震化促進/設計・工事費助成を拡充

2026年6月16日 行政・団体 [4面]

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 東京・新宿区は首都直下型地震や年々激甚化する風水害に備え、災害対策のレベルを引き上げる。区民が建築物の耐震化に向けた耐震診断や補強設計、改修工事を行う場合、建築資材の高騰を踏まえ、1平方メートル当たりの助成額を拡充。ブロック塀の倒壊による事故を防ぐため、所有者に撤去や改修を求める対象を従来の通学道路沿いから一般道路沿いの塀に広げる。
 建物耐震化に向けた設計費や工事費の助成額を4月から拡充した。一戸建て住宅で耐震診断と補強設計をする場合、1平方メートル当たり2290円(従来1000円)とした。一戸建て以外は4580円(1000~2000円)を補助する。耐震改修工事費はマンションの場合、1平方メートル当たり5万1700~5万6900円(5万0200~5万5200円)支援する。
 ブロック塀の安全性確保に向けては、これまで劣化や損傷が激しい塀や通学路沿いに位置する耐震性が十分でない塀に対して所有者に改修を促してきた。6月からは一般道路沿いに立地し、耐震性が不十分な塀を対象に啓発活動を進める。撤去に必要な費用も支援する。対象の塀は230件ある。
 台風や豪雨災害の対策では、擁壁や崖の安全性を確かめるために無料で調査員を派遣する。築造や土砂災害対策に必要な工事費のうち、3分の2の額を支援する。区内の土砂災害警戒区域には流出が想定される擁壁や崖が1500件以上ある。台風や豪雨が予想される場合には、所有者に安全管理の呼びかけも行う。
 災害対策と並行して、アスベスト(石綿)対策も進める。これまでも無料で調査員を派遣し、建物の吹き付け材を検査してきた。4月からは断熱材や保温材、壁の塗料なども検査の範囲とする。16年の調査では、区内に約3600棟のアスベストを含有する建物があることが判明した。検査対象を広げ、管理を徹底する。
 区は降水量が増えるこれからの時期に向けて、安全管理の呼び掛けなどを積極的に行う。吉住健一区長は定例会見で「災害に強く、安心して暮らせる街をつくっていく」と語った。