国土交通省は、中東情勢の不安定化で調達難が指摘されているナフサ由来の建設資材について、代替品での調達や流通ルートの切り替えなどで追加コストが生じた場合、設計変更で対応する運用を始めた。既契約工事を含めて対象とし、土木や港湾、営繕を含むすべての直轄工事に適用する。受発注者双方に、現場ごとの事情に応じた対応を呼び掛ける。受注者がさまざまな調達方法を取り入れやすくなり、工事遅延の抑制にもつながる。
資材価格の変動に対応するスライド条項に加えたメニューとして運用する。地方整備局などに対応を要請する文書を16日付で出した。金子恭之国交相は同日の会見で「受注者が柔軟に資材を調達できる環境を整え、安心して施工できるようにする」と狙いを語った。
設計変更の対象となる建設資材は塩ビ管や塗料・シンナーを想定するが、特定の品目を限定しない。現場ごとに調達状況が異なることを踏まえ、受発注者間の協議で対応の有無を判断する。国交省は設計変更の対象になり得るケースをいくつか例示。調達のしやすさを優先し、設計図書とは異なる代替資材を調達した場合や、流通経路を通常より割高に見直した場合などを想定する=表参照。
設計変更は実際の取引伝票などの証明書類を提出してもらい、実際の購入価格の単価を用いる。工期末の精算変更時の対応を基本とする。設計変更に伴って必要となる工期は、適切に変更する。
金子国交相は直轄工事の運用内容を「地方自治体などにも速やかに周知していく」とも強調。中東情勢の影響は一般的に大手より調達力が弱い中小企業に深刻な打撃を与えているとされ、自治体発注工事でも同様の対応が広まれば、困難に直面する企業の救済により効果的とみられる。








