セメント26年度の需要見通し/1・3%減の3000万トンに/協会

2026年3月2日 行政・団体 [2面]

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 セメント協会(諸橋央典会長)は2月26日、2026年度の国内セメント需要見通しを前年度比1・3%減の3000万トンと発表した。1963年度(2900万トン)並の低水準。同日の会見で福嶋達雄流通委員長は「今年に入り再開発工事が動き出している。防衛関連需要や能登での震災復興需要もある。懸念事項はあるものの、26年度で下げ止まり、27年度は少し上向くのではないか」との見方を示した。25年度は6・9%減の3040万トンを見込む。
 26年度需要の内訳は、官需が前年並みの1270万トン、民需が2・3%減の1730万トン。官需は防衛関係や能登での震災復興などで需要を見込み、大幅減にはならないと予測した。民需は物価高などが向かい風となり、苦戦するとみる。25年度見通しの内訳は官需1270万トン(6・5%減)、民需1770万トン(7・2%減)。
 輸出はアジア地域の経済成長に伴う輸出増や堅調なオーストラリア市場を背景に、4・5%増の930万トンを予想する。25年度は8・4%増の890万トンを見込む。
 同協会の麻生泰広報担当理事は「国内需要は深刻な状況にあるものの、輸出が伸び、各社もさまざまな対応をしている。合併や工場閉鎖などを議論する段階にはない」との考えを示した。
 産業廃棄物処理や災害対応の観点などから、セメントの生産体制見直しは決断が困難だ。国内需要の低迷を輸出でカバーする対応は、各国の政策や経済動向に左右される側面もある。需要の先行きが楽観視できない状況の中、設備をどう有効活用し続けるのか。メーカー各社は難しいかじ取りを迫られている。