広島県呉市は、青山クラブや入船山記念館など旧海軍ゆかりの施設が立地する幸町地区の整備基本計画案をまとめた。青山クラブはすべて解体し、外観デザインを継承した複合施設を建てるほか、美術館本館や入船山記念館は現在の配置のままで一部機能の移転などを検討する。地区内の移動をスムーズにする空中回廊も整備する。整備・運営手法はPPP/PFI手法など民間活力の導入を検討する。
幸町地区は呉駅や大和ミュージアム(呉海事歴史科学館)、商店街に近く、市は回遊性を向上させ、多くの観光客が訪れるにぎわいの創出や市民が普段から利用できるまちづくりを目指している。有識者会議からの提言を踏まえ、同地区の総合整備基本計画案を作成した。
複合施設は2階建てを想定し、美術館やホール、音楽活動練習室、情報発信コーナー、物販・飲食スペースなどを備える。延べ面積は約5900平方メートル。うち美術館が約4900平方メートルを占め、展示・収蔵エリアなどを設ける。ホールは講演会やコンサートが開ける小規模な広さにする。
桜松館を解体したエリアはオープンスペースとして活用し、既存の美術館本館や同別館、入船山記念館は現在の配置のままで機能の移転を検討する。美術館本館は耐震改修を行い、歴史展示エリアや収蔵庫、多目的スペースなどを整備する計画だ。
全体の事業費は約85億円を見込み、複合施設関連は約64億円、美術館本館の改修は約7億円と試算している。
整備スケジュールによると、青山クラブと桜松館は26年度に保存・活用する部材の調査や解体設計を進め、27年度に取り壊す。複合施設は26年度に新美術館の基本計画をまとめた後、29年度の着工を予定。オープンスペースや中庭、空中回廊などは複合施設と同じ31年度の供用を目指す。26年度当初予算案には関連事業費として8100万円を計上している。







