国交省/建設業政策勉強会取りまとめ公表/産業の岐路、異次元の対応で

2026年4月6日 行政・団体 [1面]

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 国土交通省は3日、建設産業政策の在り方を議論した有識者勉強会の取りまとめを発表した。「人が足りない」のを前提とした時代の到来に備え、「次元の異なる対応」が必要と指摘。「『信頼される』建設業」などを目指すべき方向性として示し、検討が必要な政策を提言として列挙した。国交省は具体的な検討を進める。=2面に検討が必要な主な政策
 「今後の建設業政策のあり方に関する勉強会」(座長=大森文彦弁護士・東洋大学名誉教授)の取りまとめを公表した。建設業の状況と直面する課題を整理した上で、産業として目指す姿、必要な政策の方向をまとめた。建設産業政策会議の「建設産業政策2017+10」に基づく施策を検証する場を設け、未来の姿や具体的な政策を関係者が一体となって検討するよう求めた。
 急速な人口減少や資機材価格の高騰、AI・デジタル技術の発展といった環境変化に対応するため、「産業として重大な岐路」という認識を共有し、「思い切った取り組み」を冒頭から提案した。特性や残された課題に産業構造と契約慣行、働き方の3点を提示。業務の繁閑差、過度な重層下請構造、零細事業者の投資余力、総価一式請負契約の慣行の不透明性、契約のミスコミュニケーションなどを問題視した。日給制は処遇改善を阻害し、若者が入職をためらうと指摘。労働力の融通を含めた働き方の新しい仕組みも求められるとした。
 目指す方向性は、基本的な視点を「『信頼』の確保」と「生産システムの『高度化・効率化』」とし、国民・社会に信頼される産業であり続けるための努力や、構造・慣習の不断の見直しの重要性を強調。一定の企業規模を確保することの意義も記載した。
 産業が目指す姿は▽「人を大事にする」産業▽真に「経営力」のある産業▽「未来に続く」産業-の三つで、実現に必要な政策の検討を求めた。月給制を「当たり前」とする取り組み、現場単位で最適化するといった技術者制度の見直し、重層下請構造改善の選択肢、建設キャリアップシステム(CCUS)の活用などを提案した。
 実費精算と合意した報酬を組み合わせた「コストプラスフィー契約」の有用性を挙げ、災害や物価上昇を想定した導入の検討も盛り込んだ。民間工事の受発注者が課題や懸念を話す場の構築、公共・民間の工事を問わない企業評価の結果の活用の検討も必要だとした。