政府は3日、大量の排出が見込まれる太陽電池廃棄物の再資源化を促す太陽光パネルリサイクル法案を閣議決定した。特別国会に提出する。多量の事業用太陽電池を廃棄する太陽光発電事業者などにリサイクルの取り組みを義務付け、国が認定した事業者の計画に基づくリサイクルの実施を求める。廃棄物処理法に基づく都道府県ごとの許可を不要にしたり、技術開発や施設整備に対する財政措置を講じたりすることで、リサイクルの体制を全国的に整える。
早期の成立、2027年末から28年初めの施行を目指す考え。メガソーラー事業者が主な対象で、ガラス材料を含む板状の太陽電池を想定。廃棄のための実施計画を環境省、経済産業省が認定する。該当する事業者や、計画を届け出る重量などは今後検討し、政省令で定める。
法案によると、関係する▽国▽自治体▽事業者▽収集運搬・処分事業者▽排出者(解体工事業者など)▽製造・輸入業者、販売業者-各主体の役割、リサイクル目標、施設整備、費用の低減、技術開発の方向性を示す基本方針を国が策定する。太陽光発電事業者などに対する規制として、国が指導・助言、勧告・命令する措置を定める。
「廃棄実施計画」の受理から30日経過しなければ、事業者が自ら排出したり、工事や作業を行わせたりできない。計画は重量、排出予定時期、処分方法、工事発注先などを明らかにする。不十分な計画や、合理的な理由なく埋め立て処分が選択されていた場合は変更が求められる。計画と異なる廃棄など、違反には最高100万円の罰金を科す。
再資源化のための事業計画計画が認定されると、廃棄物の保管日数などの特例が受けられる。法案には製造・輸入業者、販売業者が取り組む事項も定めた。経産省は太陽光パネルを資源有効利用促進法に基づく指定再利用促進製品に指定し、環境配慮設計を求めることも検討する。最終処分場の残余年数やリサイクル費用の状況などから、制度を見直す検討規定を付則してある。施行は公布から1年6カ月以内となっており、国会会期中に成立した場合、施行は早ければ27年末となる。
使用済み太陽光パネルは、設備の寿命によって30年代後半から大量に廃棄され、現在の約6倍となる最大約50万トンの年間排出が見込まれる。環境省によると、現状は埋め立て処分費が1キロワット当たり約2000円なのに対し、リサイクル費用は8000円超という。現在パネルは廃棄物処理法による適正処理が義務付けられているものの、パネル専用のリサイクル施設は87件、年間処理能力は約13万トンとされることもあって、リサイクルを検討する事業者は約4割にとどまる。
そのため国主体でリサイクルの枠組みを全国的に整え、リサイクルの選択を後押しする。必要な技術の開発、実装も促す。3日の閣議後会見で石原宏高環境相は「社会全体のコスト抑制を図りながらリサイクルを進める」と法案の意義を強調した。






