関西骨材業界/燃料ひっ迫で海上輸送危機/海砂入手難、生コン供給に影響懸念

2026年4月7日 行政・団体 [1面]

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 緊迫する中東情勢を受けた燃料供給の逼迫(ひっぱく)が、関西の骨材業界に深刻な影響を及ぼし始めている。骨材を運ぶガット船(砂利運搬船)の燃料となる重油の供給が制限され、価格も急騰。九州では既に燃料不足で船舶を動かせないケースが出ており、海砂の出荷・輸送に支障が生じている。関西でも海砂の入手が困難となる兆しが見え始めており、生コンクリートの供給網全体に波及する懸念が強まっている。
 在阪の骨材業界団体に所属する会員が営む骨材卸会社では、3月中旬以降、ガット船への重油供給量が従来の1回3万~4万リットルから1万~1万5000リットル程度に制限された。価格も1リットル当たり80円前後から150円程度に上昇し、燃料費はほぼ2倍になった。同社は月平均7万リットルを使用するため、従来約560万円だった燃料費が約1050万円に膨らみ、約500万円の負担増となっている。同社は2隻を保有しているため、増加分は月1000万円規模に達する。
 船舶の運航には1隻当たり5~7人の船員が必要で、人件費は1人当たり月100万円ほどかかる。燃料費の急騰で採算は急速に悪化しており、「このままでは船を動かすほど赤字が膨らむ」と嘆く。船員を抱える以上、簡単に運航を停止することもできず、厳しい判断を迫られている。
 一方、海砂は九州(佐賀県唐津市)からの供給に依存しており、途中で積み替えて関西へ輸送している。九州側では既に燃料不足が深刻化し、一部で船舶の運航が滞るなど影響が出ている。「現時点で海砂の入手が難しくなっている」状況にあり、サプライチェーン(供給網)の混乱が現実味を帯びてきている。この会員は「20日の週を過ぎてもこの状況が続けば、船の運航そのものを見直さざるを得ない」と危機感を示す。
 生コンクリートはセメントと水、砂や砂利などの骨材を混ぜてつくる。骨材が確保できなければ製造自体が成り立たない。業界関係者は「骨材が止まれば生コンがつくれず、公共工事を含めあらゆる建設工事に影響が及ぶ」と懸念する。
 現時点で関西の生コン製造への直接的な影響は限定的とみられるものの、「戦争が長引けば先行きは不透明」との声もある。関係者は燃料の安定供給とともに、コスト増に対応した支援策の必要性を訴えており、「このままでは事業継続が困難になる」として、国に早急な対応を求めている。