ロシアによる侵攻が続くウクライナの復興で、被災した住宅の再建や住環境の回復に対する支援への期待が高まっている。大規模な住宅被害で仮設住宅などの需要が拡大。国土交通省は日本企業の技術や知見を生かす協議を進める。国交省海外プロジェクト推進課の菅井秀翔国際協力官は「今後参画する企業も含め、現地で円滑に活動できるよう後押ししたい」と今後を展望する。
昨年から実証実験などを実施している建設機械の遠隔施工を巡っては、技術の情報交換や連携強化を目的とした協力趣意書を交換している。日本側は川村謙一海外プロジェクト審議官、ウクライナ側はマリナ・デニシウク地方・国土発展省次官が署名した。がれき処理では、不発弾やアスベスト(石綿)の混入など危険が伴う。このため、日本の遠隔施工技術を活用した安全確保が期待されている。
国交省は、インフラ復興で日本企業の参画を促すため、官民連携プラットフォーム「JUPITeR」の取り組みを進めている。JUPITeRは3月4~6日、プロジェクト形成に向けた意見交換を現地で実施した。日本からは大和ハウス工業、日本国土開発、プレハブ建設協会など計11社・団体が参加した。
大和ハウス工業が手掛けるモジュラー建築は、工場で建物のユニットを製造し、現地で迅速に組み立てることで、工期短縮や人手不足に対応する。プレハブ方式ながら耐震などの性能も確保されている。同社は、隣国のポーランドに生産拠点を設けるなど、供給体制を整える。
現地では両国企業間の交流を通じ日本企業が持つ技術や知見に対する期待の高まりを確認した。今後は現地で得た情報を会員企業と共有しながら、重点支援分野の選定や参画の在り方、プロジェクト形成の具体化などを検討していく。
海外プロジェクト推進課の松尾健二係長は、現地の状況について「エネルギー施設への攻撃で停電が頻発する中でも、各店舗で発電機を設置するなど日常生活を維持していた。厳しい冬を乗り越えた強さを感じた」と語る。その上で「日本の省人化技術や災害対応で培った技術を生かし、復興の加速と日常の早期回復に貢献できる環境を整えたい」と述べた。
西須大祐係長は「人々を支えるインフラを直す大きなニーズがある。JUPITeR会員と協力し進めたい」と話した。






