国土交通省は4月以降に契約する直轄工事で、建設業退職金共済(建退共)の電子申請方式を用いた掛け金納付を原則化した。発注者が工事の契約条件を示す現場説明書の中で「指導事項」に明記した。建退共の電子申請専用サイトが昨年10月に刷新され、電子申請方式の利便性が大幅に向上したことを踏まえ受注者の元請に対応を要請する。直轄工事以外の民間工事などでも、可能な限り電子申請方式を選択するよう併せて求めている。
厚生労働省との連名で建設業団体宛てに3月31日付で通知した。これまでは煩雑な手続きが敬遠されて電子申請方式の利用率は1割弱にとどまっている実態があった。建設キャリアアップシステム(CCUS)との自動連携などによる利便性向上が実現した機を捉え、電子申請方式への切り替えを強く働き掛ける。
専用サイトの刷新により従来の就労実績報告作成ツールを使わず、専用サイトで一連の手続きが完結する。CCUSの就業履歴データのダウンロードや登録といった手間が省かれ、専用サイトに自動連携されて掛け金を充当する仕組みとなった。就労履歴データがそのまま反映されることから正確で適正な制度履行にもつながる。
昨年12月に全面施行した改正建設業法・公共工事入札契約適正化法(入契法)を踏まえ、建退共制度の位置付けが高まったことも背景にある。改正法では取引当事者間の見積書に内訳を記載する必要がある「適正な施工確保に不可欠な経費」の一つに建退共掛け金を明確に定めた。建設業者による建退共掛け金の適切な見積もりは、公共工事だけでなく民間工事でも等しく求められる。
国交省は同日付で、都道府県・政令市や主要な民間発注者団体にも電子申請方式の活用促進を求める要請文書を出した。民間工事でも適正な制度運用が必要であり、建退共掛け金が受注者の費用として工事の請負金額に反映されるべき「不可欠な経費」だと指摘。発注者に対して適切な価格転嫁が必要になる経費だと周知した。






