国交省/建設Gメン、悪質ケースの効果的調査に重点/見積もり内訳明示徹底が鍵

2026年4月16日 行政・団体 [1面]

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 国土交通省は、建設Gメンの直近の活動状況を明らかにした。改正建設業法の全面施行を目前に控える時期から労務費の見積もり規制への対応も調査対象とし、見積書の内訳明示が徹底されていない建設業者に指導・助言している。技能者の処遇悪化の懸念がある取引などの通報は直近で急増しており、悪質なケースへの効果的なアプローチが一層重要になる。労務費の減額行為などをGメンが把握するには、見積書での適切な内訳明示が前提として必要だ。国交省は受注者・下請側にも身を守るための積極的な対応を呼び掛ける。
 改正業法が全面施行した昨年12月までの9カ月間に実施したGメン調査の速報版を公表した。地方整備局の「駆け込みホットライン」への通報などを端緒情報に、発注者を含む929者を調査し、うち元請365者と下請239者の計604者に指導・助言した。技能者の処遇に影響を及ぼす不適正な取引の恐れがあるとして、改正業法で建設業者の努力義務となった見積書の内訳明示の不徹底や、適切な価格転嫁に必要な契約変更条項の不備などを指摘した=表参照。
 ただ、見積もりや契約上の不備はそれ自体が悪質な行為とはいえず、実際の摘発には深掘りした調査が別途必要だ。Gメンを所管する不動産・建設経済局建設業課建設業適正取引推進指導室は「内訳明示されていなければ、減額の有無を建設Gメンが調査できない」と指摘。Gメンの人員や体制が限られ、今後大きく増える見込みが薄い中、受注者・下請側が法令順守に率先して対応し調査の確実性を高める必要がある。
 国交省は、中小企業庁や厚生労働省との連携強化も模索する。価格転嫁の促進や労働者の処遇確保の観点で、互いの情報の共有を検討する。時間外労働の上限規制の適用前に構築した労働基準監督署との合同調査の枠組み活用も想定する。
 昨年12月に駆け込みホットラインの情報収集フォームをウェブに開設するなど、端緒情報を通報しやすい環境も整え、実際に受け付け件数も急増している。自らの処遇に不満がある技能者が賃金情報などを添えて直接通報できるシステムの具体化にも着手し、年度内の試行運用を見込む。