日本建築士事務所協会連合会(日事連、上野浩也会長)、日本建築士会連合会(士会連合会、古谷誠章会長)、日本建築家協会(JIA、佐藤尚巳会長)の3団体は23日、自民党建築設計議員連盟(逢沢一郎会長)に、建築士資格制度の改善事項を共同提案した。在学中の資格受験を可能にするなど将来の建築士確保と、契約の適正化が柱。議連は建築士法について見直しに向けた検討に入る。
設計3団体は建築士の高齢化が進む中、将来を見据え建築士を安定的に確保できるよう、資格制度の改善事項をまとめた。消費者と事業者の双方に利益をもたらす取引環境を整備するため、契約の適正化も盛り込んだ。
建築士法は2018年改正により建築士試験の受験要件を緩和。学科試験の受験前に一定期間の実務経験を課さず、建築士名簿への登録に当たって一定の実務経験を課すとした。これにより卒業後すぐに受験できるなど、受験機会を前倒しした。
改正直後は受験者数が増えたものの、ここ数年は横ばいで推移している。建築士が高齢化しており、24年4月時点で60歳以上が約44%を占めるという。
こうした実態を踏まえ設計3団体は、在学中の受験を可能にするよう提案。一定の単位を取得するとともに、最終学年で卒業見込みであることも加えた。2級建築士の資格要件の緩和も提案。現行法で建築学科を卒業していない場合、受験と実務経験7年が必要となる。これを実務2年で受験できるようにし、年数も4年に短縮。受験前の2年を含め計4年で資格取得できるよう求めた。
建築設備士の資格要件の合理化案も提案。建築士の仕組みと同様に、建築設備士も受験時に実務経験を不要とし、登録時までに経験を積めばよいとした。
契約書が存在しないトラブルを防ぐため、14年の士法改正で床面積300平方メートル超の新築などを対象に書面での契約を義務付けた。提案では、義務範囲を建築士事務所が行う全ての建築設計・工事監理契約に拡大。併せて見積もりの交付を努力義務にし、設計・監理業務の報酬を合意する取引環境を整備するよう求めた。
同日都内で建築設計議連の総会を開催。逢沢会長は「建築設計界を取り巻く環境を踏まえ、提案を受け止めながら法改正に向き合っていきたい。しっかり議論し前に進めていく」とし、士法改正に向けた議論に入る考えを示した。






