大阪府市ら6者/空飛ぶクルマ27年度下期にも商用運航開始、キックオフ会議開く

2026年5月12日 行政・団体 [10面]

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 ◇大阪港バーティポート機能強化へ
 大阪府、大阪市、大阪メトロと空飛ぶクルマ機体メーカーのSkyDrive、運航事業者のSoracle、丸紅の6者による「空飛ぶクルマの商用運航に向けたキックオフ会議」が8日、大阪市港区の空飛ぶクルマ専用離着陸場「大阪港バーティポート」で開かれた=写真。早い事業者で2027年度下半期に同施設を拠点に全国に先駆けた商用運航を目指す。施設を整備・運営する大阪メトロの河井英明社長は複数事業者による共同利用を見据え、施設・設備の機能強化を急ぐ考えを示した。
 大阪港バーティポートは大阪・関西万博を契機に整備され、25年3月に完成した。大阪市港区海岸通1にあり、面積は約1万2000平方メートル。離着陸場、旅客施設、格納庫、充電施設などを備える。万博会期中には空飛ぶクルマのデモフライトで活用された。
 会合で河井社長は約1年間の施設運営や運航事業者の意見を踏まえ、商用運航に必要な課題が明らかになったとし、「必要な施設整備に年内に着手する必要がある。格納庫の冷房設備や高圧受電システム、大型機体に対応可能な格納庫の整備に取り組む」と述べた。具体化に向け6者によるコンソーシアムを立ち上げることも提案した。
 SkyDriveは28年の運用開始(周遊、短距離移動)を目指し、機体認証などを進めている。大阪港バーティポートについては運航に必要な機能がそろう施設と評価しつつ、河川空間やビル屋上などの緊急離着陸場の活用を今後の検討課題に挙げた。
 Soracleは27年度下半期以降を目標に、大阪港バーティポートを拠点とした大阪・関西地域での運用を目指す。26年度第4四半期にも同施設を中心とした実証フライトを実施。初期段階では遊覧運航を想定し、段階的に2地点間運航へ広げる。中期的には関西国際空港や神戸空港、京都、奈良、高野山、瀬戸内海の島々を結ぶ新たな観光モデルの構築を描く。
 丸紅は28年度の商用運航開始を目標に掲げた。26~27年度に候補ルートの再検証、ポート候補地の深掘り、運航事業体制の構築を進める。関係機関との協議や地元調整、有人デモ飛行などに取り組む。29年度に関西エリア内での2地点間運航、30年度以降にポートやルートの拡大を目指す。
 会合に出席した吉村洋文知事は「ドラえもんのタケコプターのように空を自由に移動できる社会が実現できれば、世界的に見ても移動革命になる」と述べた。