東大が浮体式洋上風力技術で国際研究機構設立/記念シンポ開く、日本モデル構築へ

2026年5月12日 行政・団体 [1面]

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 日本で浮体式洋上風力発電を普及するため、東京大学が産学官の知見を結集し人材を育てる拠点として「東京大学浮体式洋上風力エネルギーと関連技術国際連携研究機構」(UT-FloWIND)を設立した。11日に東京都文京区の同大伊藤国際学術研究センターで記念シンポジウムを開き、「日本モデル」構築に向けた活動の柱や課題を共有した。藤井輝夫総長は「地球規模の課題解決を東京大学が先導したい」と意気込みを示した=写真。
 UT-FloWINDは2025年10月1日付で設立。設置期間は35年3月31日までを予定する。東大の6部局から教員56人が参画し、機構長を新領域創成科学研究科・海洋技術環境学専攻の佐藤徹教授が務める。
 これまで学内の複数の部局が個別に進めていた研究を集約。活動テーマは「タフで、優しく、頼れる洋上風力エネルギーを創出する」。台風などが発生する環境が厳しいアジア・太平洋地域で、長く効率的に安定稼働できる「日本モデル」の実現を目指す。企業と連携したプログラムを設け、国内外の学術界や産業界、国際的な事業を率いる高度専門人材を育成していく。
 藤井総長は「浮体式の社会実装には既存の学問の枠組みを越えた連携が必要になっており、皆さまからのフィードバックを踏まえ新たな知を創造していく」と述べた。共催する東大大学院新領域創成科学研究科の伊藤耕一科長は「洋上風力発電という一大産業創出に東京大学が関わることは責務と考える」とした。
 寺崎正勝浮体式洋上風力技術研究組合(FLOWRA)理事長は「産業界との結節点となる拠点であり、特に人材育成にスポットを当てる点に期待している。日本の技術は各国からも関心を寄せられており、日本発の技術をつくりたい」、野口哲史浮体式洋上風力建設システム技術研究組合(FLOWCON)理事長は「どうやって量産化に持ち込むのか、UT-FloWINDは理論化で達成しようとしている。連携により世界に先駆けて量産化を実現したい」と述べた。
 シンポジウムではこのほか、舟本浩内閣府総合海洋政策推進事務局長が来賓あいさつ。高野明国土交通省港湾局海洋・環境課海洋利用開発室長らが祝辞を寄せた。