地元は熊本県。土木建設業に携わる父の背中を見て育った。現場監督として働く姿を間近で見るうちに、自然と憧れを抱くようになり、土木の道を志した。学生時代は非破壊検査に関する研究室に所属。メンテナンス分野で社会に貢献できる仕事だと感じたことが、入社の決め手になった。
熊本高速道路事務所に勤めていた2016年、故郷は熊本地震で大きな被害を受けた。被災した道路の工事発注などの調整を担当したが、「本当に復旧できるのか。先の見えない不安が幾度も頭をよぎった」。
復旧工事は24時間態勢で行われ、深夜帯の対応も続いた。工事説明で訪れた際、住民に「工事の音が聞こえる方が、夜でも誰かが近くにいてくれる気がして安心する」と声を掛けられたことが、今も心に残っている。地域の優しさに触れ、インフラを支える事業者としての責任感はより強まった。
入社当時、ロールモデルとなる女性技術職員はまだ少なかった。2度の出産を経験し、子育てとの両立に悩むこともあった。「目の前の仕事に懸命に向き合っていれば、周囲が支えてくれ、自然と道は開けていった」と穏やかに振り返る。
女性技術職員も年々増えている。「自分の経験を少しでも伝え、若い女性たちの手本になれれば」と話す。技術者としての歩みを止めるつもりはない。DXなどの新技術にも積極的に向き合い、「さらに成長したい」と前を見据えている。
(なかい・ようこ)(西日本高速道路九州支社建設・改築統括課課長代理兼企画調整課課長代理)







