経産省/原子力政策方向性と行動指針改定/原発建替、50年代までに11~14基必要

2026年6月8日 行政・団体 [1面]

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 経済産業省は5日、原子力発電施設の建て替え目標などを盛り込んだ「今後の原子力政策の方向性と行動指針」の改定案を公表した。必要な設備容量などを踏まえ、2050年代までに11~14基の建て替えが必要と展望。原子炉本体を合理的に解体する工法の構築など必要な取り組みを列挙した。改定の内容は原子力関係閣僚会議が正式決定する。 =2面に改定案の主な取り組み
 同日の総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の原子力小委員会(委員長・黒崎健京都大学教授)に改定案を示した。DXなどの進展で電力需要の増加が見込まれる中、エネルギー安全保障の重要性が高まり、エネルギー需給を巡る国内外の状況が変化していることから改定する。東日本大震災の原発事故の「経験、反省と教訓を肝に銘じ」政策を進める方針を明記した。
 運転開始から60年を迎える原発が廃炉になると、40年以降の供給力が大幅に低下する。改定案は、40年代までに約220万~550万キロワットに相当する約2~5基、50年代までは40年代分を含め約1270万~1600万キロワット相当の約11~14基の建て替えが必要だとした。
 実施に向けて「再稼働の加速・既設炉の最大限活用」など六つの取り組みを挙げた。自然災害と原子力災害の複合災害を想定し、避難道路の整備といった防災体制の充実、関係省庁と連携した支援の強化を挙げた。使用済燃料再処理・廃炉推進機構(NuRO)を主体に原子炉本体の合理的な解体方法を構築し、先進技術の積極的な導入、廃炉の工程全体を円滑化・効率化することも重要だとした。日本原燃が青森県六ケ所村で進める再処理工場の安定稼働、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料工場の竣工など、使用済み燃料をリサイクルするプルサーマルの推進と処分地の確保もポイントに挙げた。
 再稼働の審査、安全対策工事の書類・作業管理へのデジタル・AI活用検討、安全性の高い次世代革新炉の開発・設置、投資決定のための制度的環境整備、脱炭素電源地域の発展を念頭に置いた取り組みなども必要だとしている。
 政府は25年2月に閣議決定した第7次エネルギー基本計画に原発を「最大限活用」する方針を明記し、事故後の政策を転換。国内の電源構成で原発を40年度に約2割程度(24年度9・4%)にする目標を掲げた。小委員会は、複数の委員が改定案に賛意を示したが、一部委員の反対で改定案の扱いは委員長一任とならず、事務局の経産省が引き取って会合を終えた。