◇付加価値踏まえ適正賃金を
日本機械土工協会(日機協)の新会長に玉石修介氏(玉石重機社長)が5月19日付で就任した。玉石新会長は協会活動について「協調という視点が重要となる。少子高齢化問題など会員企業が共通する課題は内部でしっかり議論し、協調して取り組んでいきたい」と、意気込みを語った。
--就任の抱負は。
「山梨敏幸前会長が進めてきた協会活動の近代化と、時代の変化への適合性を高めることを継承していきたい。過去には同業者が乱立し、いがみ合う状況もあった。今は相互理解の場としての協会活動が充実し、時代への対応力を培う場としての機能も出てきた。50年を超える協会の歴史で蓄積された経験やノウハウを生かしたい。特に会員相互の受注競争は当然行うが、少子高齢化への対応や物価高問題など共通の課題については、『協調』という視点からしっかりと議論したい。賛助会員も含めて会員同士のコミュニケーションを強化することで、協会活動の厚みも増すだろう」
--中東問題や物価高への対応は。
「専門工事業は現地単品生産でモノづくりに専念するため、物価高に備えることが難しく、影響をもろに受ける。機械や燃料のコスト上昇を社内だけで吸収するのは難しい。このため、発注者には適正価格での発注をお願いしたい」
--国土交通省が4月に機械等損料を改定した。
「大変ありがたい。生産性を向上させるためにも最新鋭機の導入は欠かせない。建設機械の老朽化は作業とともに進むため、引き上げてもらった損料は機材更新の原資となる。電動建機や新たな革新的な建設機械の導入の動きもあり、適切な対応を今後も引き続き実施してほしい」
--担い手確保策は。
「機械土木工事はプロジェクトがあれば、全国どこでも施工しなければならない。この特殊性を解消するのは難しいが、さまざまな処遇改善はできる。社員の月給化は協会として早くから取り組んできたが、賃金の伸びが他産業に比べ少ない。生涯賃金という観点から賃金制度を考えたい」
「若い人に入職してもらうには、仕事内容をきちんと社会的評価をする仕組みが重要になる。われわれが造るインフラは何十年も国民の生活や経済を支える。そういう付加価値を含めて評価してほしい。土木作業員という言葉の響きも気になる。この仕事に携わる者はいくつもの資格が必要で、いわゆる高い技能を備えた職人集団だ。職人の技能に見合った対価を支払う仕組みが求められる」
--自動化や機械化の動きはどうか。
「人力作業就労者の高齢化を考えると、機械土工作業の高度化などは避けて通れない。ただ、人的作業がすべてなくなることは考えにくい。国交省のICT導入協議会は4月、建設分野のフィジカルAI活動推進ワーキンググループを設置した。苦渋作業を解消するため、新たな施工手段の活用などを検討する。こうした人的作業環境の改善にも積極的に取り組んでいきたい」。
(たまいし・しゅうすけ)1975年日本大学生産工学部土木工学科卒、玉石重機入社。取締役、常務、専務を経て2006年に社長(現職)。日機協の活動では理事、常務理事、副会長を経て26年5月19日付で会長。兵庫県出身、74歳。









