エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、岩手県雫石町と秋田県湯沢市で計画している「地熱フロンティアプロジェクト」について、本年度に準備段階の工事を始めるなど具体化を急ぐ。
天候に左右されず安定したベースロード電源として期待される地熱発電は、開発コストの高さや調査期間などリードタイムの長さが民間参入の障壁となっている。このため資源エネルギー庁とJOGMECは2025年度から「地熱フロンティアプロジェクト」に着手。従来実施していた地表調査に加えて、これまでは民間事業者が行っていた噴気試験を含む資源調査まで国が先行して引き受ける。開発が有望と判断できた場合は、掘削した井戸を希望に応じて民間事業者に引き継ぐ。
事業の候補地には雫石町の2カ所と湯沢市の1カ所を選定済み。
雫石町の候補地は岩手山南西の網張地域と、秋田県境に近い丸森地域。網張地域では本年度に既存設備の撤去と水井戸の掘削といった準備工事を始める。測量は田中技研(盛岡市)が担当。丸森地域はアクセス道路の整備に向けて環境調査を委託する。測量は興林と日鉄鉱コンサルタント(東京都港区)が担当している。2カ所とも温泉モニタリングも実施する。
湯沢市の候補地は皆瀬川の上流域。本年度に保安林解除と栗駒国定公園に関わる許認可の手続きを進める。猛禽(もうきん)類調査も東北緑化環境保全(仙台市青葉区)に委託している。順調にいけば進入路の整備などを発注する見込み。
各地区とも造成など準備工事を経て、1本当たり1~2キロほどの長さを想定する調査井を掘削。その後に専門設備を発注して仮噴気試験を開始する。民間事業者に引き継いだ後も、環境影響調査(環境アセスメント)や開発工事を継続的に国が支援する。









