梅雨の湿気は苦手でも、蒸し料理なら好む人は多いだろう。野菜も肉も魚でも、ゆでたら溶け出る栄養やうまみを蒸気がぎゅっと閉じ込めてくれる。油を使わない健康的な調理でもある▼温泉どころの大分県別府市の鉄輪温泉に「地熱観光ラボ縁間(えんま)」がある。豊後水道の海鮮など好みの食材を蒸す調理の体験が人気という。ここは地熱への理解を促す経済産業省の取り組みで整備された▼活火山の多い日本は、発電端出力1000キロワット以上の地熱発電所が27カ所あり、設備容量は世界10位の50万キロワット超(2025年4月時点)。政府の第7次エネルギー基本計画は、次世代型地熱を含めて自立電源とする競争力を中長期で高めることにしている▼有望地域の調査が国主導で行われ、温泉法や自然公園法などの許認可を巡る関係省庁の対応も進みつつある。ただ温泉地をはじめ新規の開発は、なかなか難しい現実があると聞いた▼それでも理解を得る活動が各地で続き、日本地熱協会のように開発リスクに備える保険制度を提供する団体もある。地域との対話を重ねながら、資源を持続的に生かす地熱開発が広がってほしい。










