国土交通省が設置した有識者会議「持続的な成長産業としての建設業のあり方に関する検討会」の初会合が9日に開かれ、建設業政策の新たなビジョンの策定に向けた議論がスタートした。これから打ち出す法制度のたたき台として、業界の声も取り入れながら約1年後にビジョンをまとめ、中央建設業審議会(中建審)に報告する。「次の10年こそが建設業の明暗を分ける岐路」との認識を参加者全員で共有。担い手の減少など直面する危機を乗り越える方策を、10年先まで視野に入れて検討する。
冒頭、楠田幹人不動産・建設経済局長=写真=が活発な議論を呼び掛け、「成長を続け、従事する方々や企業が将来に希望を持て、わが国の成長や地域経済の発展を力強く支え続けられる建設業の実現」を目指すためのビジョン策定に期待した。
検討のベースとして「今後の建設業政策のあり方に関する勉強会」の取りまとめで示された政策の方向性を引き継ぐ。元請と専門工事、大手と中小など業界の裾野の広さを考慮しながら、個々の政策検討の解像度を上げる。
他産業以上の処遇を実現する月給制への転換手段や、仕事量の繁閑への対応策、建設企業の経営力向上へのサポート方法、重層下請構造をはじめとする旧来の業界慣行の改善方策などを詰めていく。
検討会傘下のワーキンググループ(WG)として「企業評価WG」と「入札・発注WG」の設置も決まった。各分野の専門家で制度見直しの方向性を議論する。別途進行する技術者制度に関する検討会の成果もビジョンに反映する。
企業評価WGは、処遇改善や生産性向上を実践する企業を対象とした新たな評価の観点や、評価結果の活用を促す仕掛けを検討する。まずは経営事項審査(経審)や建設業許可、専門工事会社の施工能力などの「見える化評価制度」といった現行制度を検証する。
入札・発注WGは、地方自治体の技術系職員の減少を踏まえ、災害時の対応も念頭に円滑な入札・発注を支える制度改善を話し合う。民間工事も見据えたオープンブック・コストプラスフィー(OBCF)契約の活用促進手法も検討する。










