大阪市は、低価格入札による労務費削減を防ぐため、10月1日以降に発注する予定価格6億円超の工事を対象に「労務費ダンピング調査」を実施する。入札参加者が提出する工事費内訳書を基に、労務費を含む直接工事費が市の積算額に対して適正水準を満たしているかを確認。一定水準を下回った場合は、落札者または落札候補者に理由書の提出を求めて審査する。提出を拒否した場合は落札を無効とする。制度導入は、8日に市役所内で開かれた関係局で構成する入札契約制度改善検討委員会で了承された。
2025年12月に全面施行された第3次担い手3法を踏まえ、市は4月から工事費内訳書に材料費、労務費、法定福利費の事業主負担額、安全衛生経費、建設業退職金共済(建退共)掛け金の記載を義務化している。
適正水準の確認は、市の積算額と入札時に提出された工事費内訳書を比較して算出。一定水準額は「直接工事費×0・97」とし、この水準以上であれば調査を終了する。基準を下回る場合は、価格設定の理由書の提出を求める。合理的な回答であれば調査を完了する。合理的な説明と認められない場合には、注意喚起や警告を行った上で、事業所管局(設計担当)から建設Gメンへ通報する。
同日の検討委員会では、測量・建設コンサルタントなどの業務を対象に「スライド制度」を導入することも決定した。物価高騰や設計技術者単価の上昇、業務期間の長期化を踏まえ、受注者が適切に価格転嫁できる環境を整えるのが狙い。契約変更を可能とすることで、安定的な業務履行と担い手の確保につなげる。
スライド制度の適用対象は測量、地質調査、建築設計・監理、設備設計・監理、建設コンサルタント、補償コンサルタント。いずれも履行期間が2カ月以上あり、スライド額を正確に算定するため、着手済みまたは未着手の範囲が明確に確認できる業務とする。
全体スライドは、契約日から12カ月を経過した後、国内の賃金水準や物価水準の変動で業務委託料が不適当と認められた場合に適用する。受注者負担は変動額が残業務委託料の1・5%とする。
インフレスライドは、履行期間内に急激なインフレが発生した場合に適用。変動額が残業務委託料の1・0%を超える場合、受注者が一定額を負担する。27年4月以降の履行開始分から導入する。










