京都大学の高橋良和工学研究科社会基盤工学専攻構造工学講座教授は、26年熊本地震を受けて日刊建設工業新聞社の取材に応じ、10年前の熊本地震後に実施された耐震補強について「効果があった」との見解を示した。九州自動車道八代IC付近で発生した橋梁被害については、「地表面にも現れている地盤亀裂によって橋脚間にズレが生じたことが原因」と分析。一部が崩落した植柳橋歩道橋については、「橋脚が倒れていることを考えると、過去の大雨で基礎が洗掘され、倒れた可能性がある」と指摘した。
28日に発生した地震では、九州道の各所で橋梁被害が確認され、球磨川に架かる植柳橋の歩道橋部分も崩落した。高橋教授は橋梁被害の特徴として、「桁端部が被害を受けても桁が落橋していない」点に注目。「落橋防止構造が設置されていたと考えられ、これが効果を発揮したように思う」と述べ、落橋防止対策の有効性を指摘した。10年前の熊本地震後に高速道路を中心に耐震補強が進められたことについても、「効果があった」と評価した。
高橋教授は、兵庫県三木市にある世界最大の3D震動台「E-ディフェンス」を使った過去の実験で作成したRC橋脚解析モデルに、今回の地震で実際に観測された地震波を入力し、被害規模を推定した。その結果、被害が発生した八代市付近では、「耐震補強をしていなくても無損傷だったと推定される」との分析結果を得た。
一方、八代ICランプ部で橋桁がずれ落ちるなどの被害が発生したことについては、「ニュース映像などを見る限り、地震動そのものによる揺れというより、地表面に現れた地盤亀裂(おそらく断層)によって橋脚間にズレが生じたことが原因」と推定。九州道で多発した橋桁端部の盛り上がり被害については、「桁を支える橋台が動いたのではないか」との見方を示した。
橋脚が倒れ、一部が崩落した植柳橋歩道橋については、「詳しい被害状況は分からないが、歩道橋は軽量なため、長周期地震動の影響とは考えにくい」と説明。その上で、「橋脚ごと倒れていることを考えると、過去の大雨で基礎が洗掘され、基礎から倒れた可能性がある」との見解を示した。








